李洛淵(イ・ナギョン)首相が9日「2005年、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は北朝鮮と共に『民族語大辞典』の共同編纂を開始した。しかし、これは南北関係の浮き沈みによって中断された」としたうえで、「これから政府は『民族語大辞典』の共同編纂を引き継いでいく」ことを明らかにした。李首相は同日午前、ソウル光化門(クァンファムン)広場で開かれたハングルの日572周年記念式典で、「このように、南と北が互いの変化を知り、再び一つする作業をこれ以上先送りするわけにはいかない」とし、「このようなことが積み重なれば、南と北が世宗大王時代のように完全に一つになる日ももっと早く訪れると、私は信じている」と強調した。
これと関連し、民族語大辞典南北共同編纂事業会のチョン・ドサン常任理事(小説家)は、ハンギョレとの電話インタビューで「10・4首脳宣言11周年統一大会の際、平壌(ピョンヤン)で北側の関係者たちに会って、今年中に民族語大辞典の編纂会議を再開することで原則的に合意した」と明らかにした。チョン常任理事は「今月中に開城(ケソン)で実務接触を行う予定」とし、「来週中に文書交換(ファックス)によって接触の日程を決める予定」だと付け加えた。
チョン理事は「南北が一つの空間で共に勤務し編纂作業を進めれば、(民族語大辞典の編纂に)3年程度かかり、これまでのように1年に4回の会議を開く方式であれば6年ほどかかる」と指摘した。このような事情を考慮し、チョン理事は「具体的なことは北側と会って協議してみなければならない」としながらも、「南側の編纂委員会は開城連絡事務所に共同編纂室を設置・運営することを目標にしている」と強調した。協議がうまく進めば、南北が開城連絡事務所に共同編纂室を構え、一緒に作業する可能性もあるわけだ。
政府は、文在寅大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長が初めての首脳会談で採択した「4・27板門店宣言」の第1条4項(「各界各層の多面的な協力と交流、往来と接触の活性化」)と関連し、「民族同質性の回復」に向けた優先事業として、開城満月台の発掘調査事業の再開と共に、民族語大辞典の編纂事業の再開を挙げた。
南北は2005年2月から南と北の言語的違いを減らし、国語の民族的特性を集大成するという趣旨で、編纂事業を開始した。四半期ごとに一度会って編纂と関連した問題を協議し、「早期に」辞典を完成することを目指していたが、2015年12月に第25回編纂会議を開いてから、2016年1月に行われた北朝鮮の4回目の核実験の影響により、事業が中断された状態だ。民族語大辞典の編纂事業は、文在寅政権の100大国政課題(南北交流活性化を通じた南北関係の発展)にも含まれている。