政府が出港を保留させた米国の対北朝鮮独自制裁対象のロシア船舶と関連し、2日に出港許可措置を下した。政府は、8月中旬に釜山港に入港した当該船舶の対北朝鮮制裁違反の有無を調査したが、特別な疑いを発見できず、出港を承認したと明らかにした。
外交部は同日午後に報道資料を発表し、「政府はセヴァストポリ号に対し、対北朝鮮制裁容疑に関する調査のため、9月28日に出港を保留させた」とし、「10月2日付けで同手続きが完了したため、政府は同船舶に賦課されていた出港保留措置を解除した」と明らかにした。セヴァストポリ号は8月13日、船舶修理のため釜山港に入港した後、自社の事情で出港を見合わせてきたという。それから1週間後の21日、米国が同船舶を独自制裁対象に指定したことを受け、関連調査を進めていた政府は、28日に必要に応じて出港保留措置を取ったと発表した。
米財務省は、セヴァストポリ号を北朝鮮に対する独自制裁対象とする際、同船舶の直接的な対北朝鮮制裁違反の疑いを摘示しなかった。ただし、ロシア船舶パトリオット号が2018年初め、二回にわたって「船舶対船舶」の積み替え方式で北朝鮮に石油を供給した事実を具体的に指摘した。米財務省はパトリオット号が北朝鮮船舶の青林2号と天馬山号にそれぞれ油類1500トンと2000トンを供給したと明らかにした。油類の最終買収者は国連安保理と米国の制裁対象であるテソン銀行だと明らかにした。青林2号と天馬山号はいずれも国連安保理の制裁対象になった北朝鮮の船舶だ。米財務省はパトリオット号の船主などとしてロシア航運会社プリモリェと「Gudzon」を名指しし、2社の航運会社とGudzon関連の船舶5隻をパトリオット号とともに制裁対象に指定した。セヴァストポリ号が直接対北朝鮮制裁に違反した情況は明らかになっていない。
外交部は同日、「今回の出港保留措置は、安保理決議違反などの違法行為が確認された船舶について取られる措置とは異なる」とし、「検索及び調査の結果、安保理決議違反の事実は確認されなかった」と説明した。
ロシア政府は1日、ウ・ユングン駐ロシア韓国大使を呼んで、セヴァストポリ号の「抑留解除」を要請し、抗議の意を伝えた。Gudzon側はこれまでパトリオット号との関連を否定し、対北朝鮮制裁を違反していないと主張してきた。