日本がトリチウム(三重水素)以外の放射性物質がきれいに浄化されたと明らかにしてきた福島第1原発の汚染水の80%が、依然として基準値以上の放射性物質を含有していることが確認された。日本政府は、この汚染水を薄めて海に放出する計画を推進中であり、福島と周辺地域の海産物輸入問題をめぐり世界貿易機構(WTO)で日本政府と激しい法的攻防を行っている韓国政府も“対岸の火事”とは言えない状況に立たされた。
東京電力は30日、2011年3・11原発惨事を起こした福島第1原発に地下水が入り込み発生している汚染水のうち、浄化作業が終わった89万トン(合計95万トン)を調査したところ、80%を超える75万トンが依然として排出基準値を超える放射性物質を含んでいたと明らかにした。日本政府と東京電力は、これまで原発周辺に巨大な水タンクを作り保管してきたこの汚染水を海に放出するための世論説得作業を進行中だった。
これに関連して、朝日新聞など日本のマスコミの報道によれば、2011年3・11福島原発惨事から7年が過ぎたが、原発では相変らず一日に約170トンの汚染水が発生している。このうち100トンは周辺の地下水が放射性物質で汚染された原子炉に入り込み自然生成されるもので、70トンは炉心溶融(メルトダウン)を起こした1~3号機原子炉の核燃料を冷却するために意図的に注入しているものだ。東京電力は現在、このうち一日100トン程度を多核種除去装置(ALPS)と呼ばれる放射性物質除去装置を通じて処理し、原発敷地周辺に900個の巨大水タンクを作り保存してきた。
日本政府はこれまで、ALPSが水素と同じ性質を持つ放射性物質であるトリチウム以外の62種の放射性物質をきれいに除去できると明らかにしていた。これを根拠にトリチウムが混ざった汚染水を水で薄めて海に放出する方針を定め、住民説明会を進めてきた。2016年5月の経済産業省資料によれば、この方式で汚染水を海に捨てれば34億円という最小費用で7年4カ月で汚染水を処分できるとしている。
しかし、今年8月末に日本の経済産業省が住民説明会を進める過程で新たな事実があらわれた。処理汚染水からトリチウム以外に基準値を超える種々の放射性物質が検出されたためだ。特に、一部の水タンクからは基準値の2万倍を超える1ミリリットル当たり約60万ベクレルのストロンチウム90が検出された。ストロンチウム90は、半減期が29年と長く、人が摂取すれば骨などに蓄積されやすい。
東京電力はこのような問題が発生した原因として、2013年にALPSで発生した故障により高濃度汚染水が保存タンクに一部混入し、放射性物質を取り除くALPSの吸着剤の交換が遅れたという点を挙げている。
福島県の住民たちは、汚染水を海に捨てようとしている政府の方針に改めて反対する立場を明らかにした。福島県漁業協同組合連合会の野崎哲会長は、毎日新聞とのインタビューで「(8月末の公聴会を通じて)トリチウム以外にも(処理済の汚染水から)基準を超える放射性物質があることを知っていた。(汚染水を今のように水タンクに入れて)陸上保管しなければならないという私たちの立場には変わりがない」と話した。
日本政府は、韓国が福島産水産物の輸入を禁止しているとし、2015年5月世界貿易機構に提訴し、2月には韓国の1審敗訴が確定し現在上訴中だ。