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50代の女性副首相、破格の任命…文政権2期の“革新”内閣改造

登録:2018-08-31 09:00 修正:2018-08-31 09:45
教育部長官にユ・ウネ議員を指名  
大統領府「コミュニケーション・政務感覚が卓越」  
内閣で「女性30%の原則」を維持
社会副首相兼教育部長官候補に指名されたユ・ウネ共に民主党議員が今月30日午後、国会議員会館で開かれた「ウェブトゥーンの海外違法サイト根絶と韓国ウェブトゥーンの未来」セミナーで、挨拶の言葉を聞きながら笑っている=カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は30日、社会副首相兼教育部長官候補者にユ・ウネ(56)共に民主党議員を任命した。国会の人事聴聞会を通過した場合、史上初の女性副首相となる。ユ候補者の任命は「成果、女性、世代交代」という今回の内閣改造のキーワードをすべてを盛り込んだ象徴的人事と評価されている。

 キム・ウィギョム大統領府報道官は、ユ候補者の任命の背景に「19代、20代国会議員として国会教育文化体育観光委員会委員と幹事で数年間活動した。教育部の組織と業務全般に対する理解度と識見が高く、優れたコミュニケーション能力と政務感覚を兼ね備えている」と明らかにした。

 大統領府の説明どおり、ユ候補者は7年間教育分野の常任委員会に勤しんだ「教育通」だ。仕事を失った債務者の学費融資返済を猶予する内容の「就業後学費返済特別法改正案」、障害をもつ生徒の安全のために特殊学校の寮に看護士を配置するようにした「障害者などに対する特殊教育法改正案」、文化活動で政治的見解の違いを理由に差別されないようにする「文化基本法改正案」(ブラックリスト防止法)などを発議し可決させた。文在寅政府発足後には、引継ぎ委員会に当たる国政企画諮問委員会の社会分科委員を務め、国公立保育所の拡大、高校無償教育などの国政課題の定立を担った。ユ候補者が教育部の首長になれば、文大統領の高校無償教育公約など公教育の強化が加速化される見通しだ。

 大統領府がユ候補者の「専門性と政務感覚」を高く評価した内容は、キム・サンゴン現教育部長官に対する批判的な見方が反映されたものとみられる。キム長官は幼稚園放課後英語教育禁止と「2022年大学入試改編」など、敏感な懸案で混乱をもたらし、文在寅政府の教育政策に対する不信を招いたという批判を受け、“交代1位”として取り上げられてきた。大統領府は「(ユ候補者が)均等な教育機会の保障、公正かつ透明な大学入試制度、学齢人口の減少に対応した大学特性化などの懸案を積極的に解決し、未来志向的な公教育体制構築など中長期教育改革を推進していく適任者」だと期待感を示した。

 これと共に文大統領が「50代の女性政治家」であるユ候補者を社会分野部処を総括する社会副首相に任命したのは、「実質的な性平等社会」を具現化するという意志を示したものと解釈される。文大統領は昨年の大統領選挙当時、「男女同数内閣構成に向けた持続的な努力」などを約束し、「女性30%任命の原則」を内閣から政府の各種委員会まで守るよう指示してきた。昨年から吹き荒れた「MeToo運動」などの性平等を要求する各界の声が高まったことも、人事の背景に挙げられる。

 ユ候補者が民主党の再選議員であるだけに、文大統領が与党・政府・大統領府の協力を強化した「民主党政府」を強調したという分析も出ている。また、党内非主流に分類されるユ候補者を起用することにより、特定派閥に偏らないというメッセージを送ったものと解釈される。ユ議員は文大統領の党代表時代には代弁人を、大統領選挙時は陣営代弁人を務めたが、政治入門は現在非主流の「キム・グンテ系」(GT系)として出発した。1981年、成均館大学に入学し、「86世代の政治家」のうち一番年上であるユ候補者は、学生運動や労働運動などを経てキム・グンテ後援会事務局長、キム・グンテ議員補佐官を務めるなど、政治人生でずっと代表的な「キム・グンテ系」政治家と呼ばれてきた。ただし、文大統領と個人的な縁もある。銀行員だったユ候補者の父が1992年に釜山で心筋梗塞で亡くなった際、労災認定の手助けをしたのが「人権弁護士・文在寅」だったという。

 ユ柳候補者はこの日の大統領府の発表直後、立場文を出し「文在寅政府2年目に社会副首相を兼ねた教育部長官という重責を任され、重い責任感を感じている。安定した教育改革のために当面の懸案はもちろん、長い目で見ることが必要な教育政策も最善を尽くして推進する」と明らかにした。

キム・ボヒョプ、オム・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/860037.html韓国語原文入力:2018-08-30 22:49
訳M.C

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