政府の労組設立申告証を受けた宅配労組が、会社側の陰険な欲のために団体交渉権を保障されない状況が半年にわたり続いている。使用者であるCJ大韓通運と代理店主らが「労組として認められない」とし、団体交渉を拒否したまま裁判所の判断を待つとして行政訴訟を起こしたためであり、労働界では「訴訟を通じての時間かせぎであり、労組への嫌がらせではないか」という批判が出ている。
CJ大韓通運所属の宅配労組の組合員たちは今年1月、委託・受託契約を結んだ代理店とCJに「不平等な手数料体系の改善」、「労働契約書の作成」などを要求し、団体交渉を要求した。しかし、CJと代理店主らは団体交渉に先立ってしなければならない「交渉要求事実の公告」をせずに引き延ばした。これに対し、ソウル地方労働委員会と再審を担当した中央労働委員会までが「宅配運転手は労組法上、労働者に該当する」とし、団体交渉に取り組むよう求めたが、CJと代理店主らはこれを拒否した。その後、彼らは「宅配運転手が労働組合法の労働者に該当すると見なした中央労働委員会の決定は違法であるため、取り消してほしい」とし、ソウル行政裁判所に訴訟を起こした。代理店主とCJがそれぞれ提起した訴訟は40件余りだが、4件に併合され、ソウル行政裁判所で審理中だ。
しかし、宅配労組は昨年11月3日、政府から設立申告証を受けたれっきとした「法内労組」だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「特殊雇用形態労働者の労働3権の保障」の公約によって、雇用労働部も「宅配運転手は労組法上、労働者に該当する」とし、設立申告証を出している。
CJのこのような「時間かせぎ訴訟」は、政府だけでなく労組法上労働者の認定範囲を徐々に広げている裁判所の判断にも逆行すると指摘されている。最高裁は6月、「学習誌教師らは労働基準法上労働者には該当しないが、労働3権の保護の必要性があれば、労組法上労働者に該当しうる」という判決を下した。今回の宅配労組と事実上同じ内容の訴訟もあった。自動車の営業社員らが集まった全国自動車販売労働者連帯労働組合は、2015年に政府の労働組合設立申告証を受けたが、団体交渉に応じない現代・起亜自動車代理店主らと2年間にわたり訴訟を行い、裁判所は16日に「労組法上労働者に該当する」と判断した。
チョン・ジュニョン金属労組法律院弁護士は26日、「労働者たちは、最高裁の判断が出るまで労働者の権利を行使できなくなる。使用者側は訴訟を提起する権利があるというが、労使間の行政訴訟を進める過程でも、労働委員会の再審判断の結果には一旦従うべきとした労働組合法に反する行為」だと指摘した。
これに対してCJ大韓通運全国宅配代理店連合会の関係者は、「政府が実態調査もなく政治的決定で労組設立申告証を出した。司法部の判断まで受けてみなければならない」と話した。CJ大韓通運の関係者も「裁判所で十分に争ってみた後、裁判所の判断に従うつもりだ」と話した。