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全斗煥元大統領、5・18虐殺から38年ぶりに光州法廷に立つ

登録:2018-08-23 03:23 修正:2018-08-23 08:16
27日、故チョ・ビオ神父の名誉毀損の疑いで初公判 
光州地裁、全氏の出席を前提に準備 
チョン氏側弁護人、裁判所に「出席する」意向明らかにしたもよう 
今月27日午後2時30分に光州地裁刑事裁判に被告人として出席する全斗煥氏=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 5・18民主化運動当時、ヘリコプター射撃の事実を証言した故チョ・ビオ神父の名誉を毀損した疑いで在宅起訴された全斗煥元大統領(87)が、1980年5・18虐殺以来38年ぶりに光州(クァンジュ)で開かれる法廷に立つ見込みだ。

 22日、光州地裁など関係者の話を総合すると、全氏は27日の裁判に出席する方針だという。光州地裁刑事8単独キム・ホソク判事(41・司法研修院33期)は27日午後2時30分、全元大統領に対する初裁判を進める。チョン氏側の弁護人は「光州日報」との電話インタビューで、「(全斗煥元)大統領が今月27日、光州地裁の裁判に出席する方針を決めて準備中」だと明らかにした。光州地裁の関係者は「被告人側が出席の意向をマスコミを通じて明らかにしただけに、法廷の秩序維持と安全事故の備えなどに万全を期する方針」だと明らかにした。法廷も、当初の402号から201号大法廷に変更する問題も検討する予定だ。

 全氏の初公判は当初、5月28日に行われる予定だったが、全氏の弁護人側の要請で、2回も延期され、27日に確定された。全氏側は5月21日、「高齢な上、健康問題により、遠く光州まで行って裁判を受けられない。光州裁判所に裁判管轄権がない」として、裁判部の移送を申請した。しかし、裁判所は「裁判の管轄問題は裁判所の職権で判断する事案」だとして、これを認めなかった。刑事裁判では、特別な理由なしに2回以上出席を拒否した場合、拘引状を発付できる。

 全氏は、昨年4月に出版した『回顧録』で、戒厳軍のヘリコプター射撃を目撃したと証言した故チョ・ビオ・モンシニョール神父を「仮面をかぶったサタン」だと表現し、チョ神父などの名誉を毀損した疑いで、5月3日に在宅起訴された。検察は5・18民主化運動当時、戒厳軍のヘリから機銃掃射があったという証拠や証言が出たにもかかわらず、「光州事件当時、ヘリの機銃掃射はなかったため、チョ・ビオ神父がヘリコプター射撃を目撃したというのは歪曲された悪意的な主張だ。チョ・ビオ神父は聖職者に名にふさわしくない破廉恥なうそつきだ」と記述したのは明白な虚偽事実であり、チョ神父の名誉を毀損したと判断している。

 今後の裁判では、実際に当時ヘリコプターから射撃が行われたかをめぐる裁判所の判断と、全氏が回顧録の執筆過程で虚偽事実を認知していたかどうかなどが争点になるものとみられる。全氏の回顧録と関連した民事訴訟で、全氏側の代理人は「5・18団体や遺族らの名誉を毀損する意図は全くなかった」と主張した。刑事裁判でも全氏側は「ヘリ機銃掃射部分は5・18当時、戒厳司令部ではなく保安司令部所属で、直・間接的に関与しておらず、回顧録の執筆も他の責任整理者が行ったため、(全氏とは)関係がない」という論理を展開するものと予想される。

 これに対し、5・18団体側の代理人であるキム・ジョンホ弁護士は「今年2月7日、国防部5・18民主化運動におけるヘリコプター射撃および戦闘機出撃待機関連の国防部特別調査委員会』(国防部特調委)が、『陸軍が攻撃ヘリコプター500MDと機動ヘリUH-1Hを利用し、光州市民に向かって射撃をした事実が確認された』と明らかにしており、昨年8月4日に行われた全氏の回顧録に対する1次出版・配布禁止仮処分決定でも、裁判所は『ヘリコプター射撃はあった』という原告側の主張を認めた」と話した。

 5・18記念財団と3つの5・18団体は同日、緊急会議を開き、全氏の裁判と関連した対策を協議する方針だ。チョ・ジンテ5・18記念財団常任理事は「少しでも不始末なことが起きれば、全氏が裁判管轄の移送を求める口実になりかねない。厳正かつ真剣に裁判が進められ、5・18真相究明の最後のきっかけにできるよう、5月団体も協力する」と明らかにした。

 これに先立ち、4つの5・18団体が提起した『全斗煥回顧録』の配布及び出版禁止仮処分申請と関連し、光州地裁は2017年8月4日と2018年5月5日、虚偽事実が削除されない限り、出版と配布を認めないことを決定した。また、5・18関連4団体と故チョ・ビオ神父の甥チョ・ヨンデ神父が全氏に対して提起した損害賠償の民事訴訟と、『全斗煥回顧録』の出版と配布禁止本案訴訟の結審公判も、来月13日に光州地裁で開かれる予定だ。

 一方、1995年12月に起訴された全氏は1997年4月17日、最高裁で反乱(内乱)首魁・内乱・内乱目的殺人など13つの罪で有罪が確定し、1審で死刑を言い渡されたが、控訴審で無期懲役(追徴金2205億ウォン)に減刑され、1997年12月特別赦免された。

チョン・デハ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/858686.html韓国語原文入力::2018-08-22 21:17
訳H.J

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