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検察「安煕正無罪」に控訴…「一審、最高裁判所の判例と合わない」

登録:2018-08-21 07:29 修正:2018-08-21 09:10
安煕正前忠清南道知事が8月14日、ソウル麻浦区ソウル西部地方裁判所で開かれた自分の随行秘書への性暴力事件一審の判決裁判に出席している。この日、裁判部は10つの容疑すべてに無罪を言い渡した=ハンギョレ/キム・ソングヮン記者//ハンギョレ新聞社

 検察が、一審で無罪判決が出た安煕正(アン・ヒジョン)前忠清南道知事の性暴力容疑事件に対して20日控訴した。ソウル西部地検はこの日、裁判所に控訴状を出し、「法理の誤解、事実誤認、審理不十分の三つの理由で控訴した」と明らかにした。

 検察は「法理の誤解」の根拠として、最高裁判所の様々な判例をあげた。安前知事の事件よりも明示的な威力がさらにないように見えるにもかかわらず、最高裁で有罪が確定された類似事件の判例を根拠に、一審が法理を誤解したと見た。検察関係者は「安前知事の件は明白に威力が認められ、威力によって姦淫したことも認められる」、「一審の無罪は威力を余りにも狭く解釈したものであり、最高裁の既存判例とも趣旨が合わない」と強調した。

 「事実誤認」は、一審裁判部がキム・ジウン氏の供述を排斥した部分に集中された。裁判所が性犯罪被害者に見えるような行動ではないと判断した部分が、控訴審で集中的に扱われる見通しだ。検察はキム氏の被害の訴えを聞いた証人たちの証言、通話内訳などで、キム氏の供述を立証する余地が十分あると主張すると見られる。

 検察はまた、専門審理委員たちに対する裁判部の判断がきちんと行われていなかったという趣旨で「審理不十分」を控訴理由に挙げた。安前知事側が要請した専門委員たちによるキム氏の心理状態の分析に問題があり、検察側が要請した委員たちの分析は裁判でまともに受け入れられなかったという意味と解釈される。

 検察は14日の判決当日にも「裁判所の判断は尊重するが、裁判所が無罪を宣告したのは納得し難い」と明らかにしている。当時、検察は「被害者は被害事実を一貫して供述し、被告人の要求に拒否の意思表示をしただけでなく、被害事実を何人にも訴えた」とし、「様々な人的・物的証拠によって被害者の供述の信憑性が認められるにもかかわらず、裁判所は異なる判断をした」と主張した。

 控訴審では、安前知事の業務上威力が行使されたのか、キム・ジウン氏の法廷での供述に信憑性があるかなどについての激論が繰り広げられる見通しだ。一審裁判部は、業務上威力は存在したものの実際に行使されたものとは見られず、キム氏の供述の信憑性が低いと見なした。

 西部地検は、忠清南道の随行秘書・政務秘書を務めたキム氏の告訴で3月6日から安前知事の事件を捜査した。安前知事の拘束令状を二回請求する強手を投げたが全て却下されると、一カ月あまりの捜査を経て4月11日に彼を在宅起訴した。業務上威力による姦淫4回、業務上威力によるセクハラ1回、強制わいせつ行為5回を公訴事実に含めたが、ソウル西部地裁は全ての公訴事実に対して犯罪の証明がないとし、無罪を言い渡した。

聯合ニュース

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/858384.html韓国語原文入力:2018-08-20 17:05
訳M.C

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