北朝鮮が先月22日に北側地域に不法入国した南側市民を板門店(パンムンジョム)を通じて送還した。
統一部は7日、資料を発表し「今日(8月7日)午前11時、板門店を通じて韓国国民1人が北朝鮮側から送還された」と明らかにした。北朝鮮に不法入国したS氏(34)は先月22日、北側地域に入り、北朝鮮当局の取り締まりにより摘発されたものとみられる。S氏がなぜ北側地域に不法入国したのかなど、経緯はまだ確認されていない。統一部関係者は「関係機関がS氏に対し入国経緯の確認などの調査を行っている」と話した。
統一部は「北朝鮮側は6日午前、北朝鮮赤十字社中央委員会名義の通知文を通じて、7月22日に北朝鮮側地域に不法入国した韓国国民1人を、7日午前11時に板門店を通じて、南側に送還すると通知しており、韓国側は昨日午後、それを受け入れる意思を北朝鮮側に伝えた」と説明した。さらに、「政府は北朝鮮側が韓国国民を人道主義的見地から送還したことを肯定的に評価する」と明らかにした。
過去にも北朝鮮は北側に渡った南側市民を送還したことがある。1996年夏、小説家キム・ハギ氏は酒に酔って、豆満江を渡った。北朝鮮軍当局はキム氏を発見し、身元を確認した後、半月後に韓国に送還した。2013~2015年にも、北朝鮮は北側地域に移った南側市民を数回にわたって送還した。2013年に1回6人、2013年に2回にわたって2人、2015年4回にわたって5人が北側に渡り、北朝鮮当局によってまた韓国に送還された。