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性暴力加害教授に対する「非公開懲戒」に再び声を上げた学生たち

登録:2018-07-18 09:16 修正:2018-07-18 12:16
梨花女子大学総学生会、「性暴力教授の懲戒処分結果を公開せよ」糾弾集会 
学校側「『教員人事規定』上、個人情報なので公開できず」 
 
「MeToo」その後、大学懲戒処分の結果は公開されなかったり手続きが進まず 
懲戒が一時中断されたり、被害者への2次加害も続く 
「『性犯罪加害者も保護を受けられる』というシグナル」
今月17日昼12時、ソウル西大門区の梨花女子大学キャンパスで開かれた「教員懲戒委員会糾弾、梨花人集会」で、参加者たちが色とりどりの傘をさして性暴力加害疑惑の教授に対する懲戒委員会手続きの結果を共有していない学校を糾弾している=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 「とても暑いので、集会に参加してくれた方々は必ず(日)傘をさして下さい」

 日中の気温が32度まで上がった17日午後。ソウル西大門区の梨花女子大学の校庭には色とりどりの傘が広がった。「教員懲戒委員会糾弾、梨花人集会」を主管した梨花女子大総学生会が、集会参加者たちが少しでも暑さを避けられるように準備した傘だ。じっとしていても汗が流れる猛暑の中で、炎天下のもとに座った約80人の学生は「性暴力教授に対する懲戒委員会の結果を公開せよ」と声をあげた。

 同日の集会が行われた理由は、梨花女子大で性暴力加害教授に対する懲戒委員会を進めながらも、その結果を学生に公開しなかったためだ。これに先立ち3月、梨花女子大学では造形芸術大学のK教授、音楽大学管弦楽科のS教授が、日常的に教え子にセクハラをしたという「MeToo」告白が現れた。教員人事チームは今月11日、総学生会に「造形芸術大学教員は懲戒委員会が完了し、懲戒処理されたことをお知らせする」という公文書を送っただけで、具体的な懲戒レベルは明らかにしなかった。

 チャ・アンナ梨花女子大総学生会長は「懲戒委の結果が公開されなければ、加害教授に軽い処罰が下されても被害学生たちは異議提起すらできない」と指摘した。キム・ヘリム同好会連合会会長も「大学内の権力型性暴力加害者が相応の処罰を受けない場合、構成員皆が加害教授が再び大学に戻るかもしれないという不安感に苛まれる」と話した。彼女らは「教員懲戒委員会の結果を公開せよ」、「加害教授を罷免し、2次被害を防止せよ」などの掛け声を叫びながら、大学本部を抗議訪問した。

 2月以来、ソウル市内の大学のいたるところで教授の権力型性暴力を告発するMeToo運動が続いたが、大学レベルの懲戒は遅々として進んでいないという指摘も出ている。教え子を常習的にセクハラしたという疑惑が出た韓国外大のK教授とS教授もやはり学校が懲戒処分の結果を知らせず、今月5日に総学生会が結果を共有するよう要請する公文書を送ったという。昨年12月、授業中にセクハラ発言を日常的にしていたという暴露が出た延世大学哲学科のK教授の場合、8カ月がたった今まで懲戒手続きが進められている。「延世大学のK教授の性暴力対策に向けた学生連帯体」で活動するパク・シニョンさん(23・国語国文学)は「懲戒委員会が教授たちだけで構成されており、学生たちは内部会議でどんな議論が行われているか、きちんと確認できない」とし、「セクハラ発言に対して安易な学校の態度を示している」と指摘した。

 学校側の遅い対応は2次被害につながる。同徳女子大学はMeToo運動を卑下し教え子にセクハラをしたという疑惑が提起されたハ・イルジ文芸創作学科教授に対して真相調査を一時中断し、検察の捜査結果を待っている。その間にハ教授は、被害学生を名誉毀損の疑いで警察に告訴した。事件は容疑なしと結論づけられた。また、教え子に性的暴行を加えた疑惑が持ち上がった世宗大学のキム・テフン教授(映画芸術学)は、学校の懲戒手続き進行中に「教え子と恋人関係にあった」という趣旨の文書を提出した。

 ユンキム・ジヨン建国大学からだ文化研究所教授は「校内の懲戒委員会が学生たちの参加を排除したり、懲戒処分の結果を被害学生にさえ知らせないのは、『性犯罪加害者でもいくらでも保護を受けられる』というシグナルを社会に送るのと同じだ」とし、「大学社会から排除される可能性もあるという懸念を受け入れて被害を告白したMeToo被害者たちのためにも、大学がより透明で断固たる懲戒手続きを踏まなければならない」と明らかにした。

ファン・クムビ、チェ・ミニョン、チャン・スギョン、シン・ミンジョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/853652.html韓国語原文入力:2018-07-17 21:46
訳M.C

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