南北「山林協力分科会談」が4日午前10時、板門店の南側区域の平和の家で開かれた。リュ・グァンス山林庁次長とキム・ソンジュン国土環境保護省山林総局副総局長がそれぞれ南北の協議首席代表(団長)を務める。南北の当局レベルの山林協力の議論は2007年12月以降11年ぶりだ。
リュ・グァンス次長は、全体会議の冒頭発言で「昔から治山治水と言われてきた」としたうえで、「信頼を持って良い成果を出せるよう努力していきたい」と述べた。キム・ソンジュン副総局長は「鬱蒼とした樹林地にはその森を育てた人たちの人知れぬ汗がに染み込んでいるという」とし、「民族の期待に応えられるよう、この地に平和と繁栄の緑の森を育てていくという気持ちで、今日会談してみよう」と答えた。リュ次長はソウル三清洞(サムチョンドン)の南北会談本部から板門店に出発する前、記者団に「今日の会談では、南北山林協力の全般について議論し、具体的な履行策を協議していく」と明らかにした。
会談では効果的な山林協力に向けて、北側の山林の現況についての共同調査や研究、技術協力、養苗場建設事業、苗木の提供、山林病害虫の防除などと関連した協議が行われるものと予想される。
北朝鮮は山林の荒廃化が深刻だ。山林庁の資料によると、2008年基準で北朝鮮の山林面積の32%が荒廃化している。北朝鮮は、ナイジェリアとインドネシアに次いで世界で三番目に山林の荒廃化が進んでいる国に挙げられる。政府は確保している北側の森林の現況資料が10年前の2008年の時のものであることを考慮し、今回の会談で本格的な山林協力に先立ち、共同調査と研究が必要である点を強調するものと見られる。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は執権以来、「山林緑化」を国家的課題として力を入れてきた。金委員長は2015年3月2日「植樹節」に直接木を植え「これから10年以内にすべての山々を緑あふれる宝物の山、黄金の山に変えるよう」指示した。昨年は金委員長の指示で、金日成総合大学に山林科学大学が新設されたと、「労働新聞」などが報道した。
政府はこのような事情を考慮し、4・27南北首脳会談後、「板門店(パンムンジョム)宣言履行推進委員会」の南北関係の発展分科に「山林協力研究部会」を設け、山林協力を優先的な推進課題にしてきた。
南北当局は10・4首脳宣言直後の2007年12月21日、第1回南北保健医療・環境保護協力分科委員会会議を開き、養苗・造林能力の強化に向けた協力事業の推進や山林病害虫の被害調査と駆除の進行などに合意した。しかし、李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)政権時代の南北関係の悪化により、後続の協議と協力事業は実現しなかった。
会談には、南側から首席代表のリュ・グァンス次長やキム・フナ統一部課長、チョ・ビョンチョル山林庁課長が、北側から団長のキム・ソンジュン国土環境保護省山林総局副総局長やペク・ウォンチョル国土環境保護省山林総局局長、リャン・ギゴン民族経済協力委員会局長が代表として出席する。