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ソウル市、「ジェンダー平等契約制」導入する

登録:2018-06-18 06:28 修正:2018-06-18 07:29
ソウル市長選挙で緑突風を巻き起こした 
シン・ジエ候補の公約を導入 
企業、公共機関と委託契約の際 
ジェンダー平等、性暴力への対応を強化する条項 
履行しない場合、解約できるように 
ソウル市「具体案点検し下半期から導入」 
 
緑の党「すべての契約に適用すべき」 
ソウル市「緑の党とは別に検討してきた」
緑の党のシン・ジエ・ソウル市長候補と支持者らが今月6日、ソウル水西警察署の前で選挙ポスターの毀損事件に対する警察の積極的な捜査を求める記者会見を行っている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 6・13地方選挙で、ソウル市長の得票率4位を占め、ジェンダー平等の議題で突風を巻き起こした緑の党のシン・ジエ候補の「ジェンダー平等契約制」公約が今年下半期に朴元淳(パク・ウォンスン)市長が率いるソウル市で導入される予定だ。似たような公約を掲げて出た共に民主党の朴元淳候補が当選した後、公約の履行が急速に進められているものとみられる。

 17日、ソウル市のユン・ヒチョン女性政策担当官は「朴元淳市長の公約のうち、ソウル市の委託機関で発生するセクハラ・性暴力事件の管理を強化するという公約は具体案を点検し、今年下半期頃から施行する予定」だとし、「ソウル市は企業または公共機関と委託契約を締結する際、標準契約書にジェンダー平等処置の強化や性暴力への対応システムの強化を強制条項とし、それを履行しない場合、契約を解除できるようにする」と発表した。

 具体的に、標準契約書に「職場内セクハラ予防教育を実施せず過怠料を払った事業主とは契約を解除できる」や「当該企業・機関のジェンダー平等処置が不十分な場合、契約を解除できる」などの条項を追加し、今年下半期に適用する計画だ。ソウル市は適用対象となる企業・機関の範囲と追加される条項の文言などをさらに具体化する予定だ。ソウル市は「セクハラ・性暴力及び2次被害の予防対策」を発表した今年3月からこれと関連された内容を検討してきた。

 この問題と関連し、朴元淳候補はソウル市長時代の3月に関連政策を打ち出したが、ソウル市の施行時期が今年下半期に明示され、標準契約書条項が追加されるなど、内容が具体化したのは最近のことだ。シン・ジエ候補が今回の選挙で「ジェンダー平等契約制」を優先順位2番目の公約に掲げ、ジェンダー平等の議題を本格化したことが影響を与えたものと見られる。

共に民主党の朴元淳ソウル市長候補が今月12日午前、ソウル鍾路区選挙陣営で記者会見を行っている=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 これに先立ち、朴元淳ソウル市長は候補時代の5月20日、66の中心となる公約の一つとして、ソウル市と契約を結ぶ委託機関に対してセクハラ・性暴力事件の管理を強化するという公約を掲げた。細部公約としては「性暴力被害者の保護措置が不十分な場合、契約解除条項の新設」、「契約した事業機関のジェンダー平等・人権教育の義務化の推進」などがあった。

 しかし、強力な「ジェンダー平等契約制」を前面に掲げた緑の党はそれでは不十分だという反応を示している。キム・ヒョンス緑の党ソウル市党政策チーム長は「『ジェンダー平等契約制』の本来の趣旨どおりなら、対象機関がソウル市の委託機関だけでなく、ソウル市と契約を結ぶすべての機関へ範囲を広げなければならない」とし、「事件発生後の対応を見て契約を解除するのではなく、契約前に当該組織のジェンダー平等全般に対する履行計画書や覚書を受ける方式で、予防に焦点をあてるべきだ」と指摘した。また、「契約を『解除できる』という選択条項ではなく、強制条項に変えなければならない」と付け加えた。

 そもそも緑の党が公約に掲げた「ジェンダー平等契約制」は、ソウル市と委託、サービス、事業などの各種の契約を結ぶすべての企業や機関に、契約の際、ジェンダー平等履行覚書を提出するように要求するという内容だ。履行覚書にジェンダー平等教育や性暴力予防教育、人権教育、組織内の性的暴行への対応体系の構築などを含め、ソウル市と契約を結ぶ機関や企業がジェンダー平等な職場を作るようにするということだ。さらに、「ジェンダー平等職場認証書」を付与し、今後ソウル市の委託・サービス事業の契約に優先権を与えるという内容もある。シン候補は選挙運動期間に「性暴力と性差別のあるところには、ソウル市の予算がたった1ウォンでも使われてはならない」と強調した。

 ユン・ヒチョン担当官はハンギョレとの電話インタビューで、「ソウル市では専門家による諮問などの懇談会を通じて、1~2月から関連内容を検討し、3月のセクハラ・性暴力対策に盛り込んだ。今年下半期の推進は、緑の党の公約とは関係ない」と話した。

キム・ミヒャン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/women/849433.html韓国語原文入力:2018-06-17 22:35
訳H.J

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