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[社説]「弘大盗撮」捜査が議論される意味

登録:2018-05-15 22:11 修正:2018-05-16 08:48
弘益大学絵画科の人体ヌードクロッキーの授業で男性モデルのヌード写真を流出させたことが判明した同僚モデルのA容疑者(25・女)が12日午後、ソウル西部地裁で令状実質審査を受けるため麻浦警察署をから出てきている/聯合ニュース

 弘益(ホンイク)大学の授業で男性モデルのヌード写真を隠し撮りして流出させた女性モデルの事件を巡り、「不公正」ないしは「性差別」捜査の議論が広がっている。週末には女性たちが赤い服を着て参加する糾弾デモも予告された。迅速な犯人検挙を「誤った捜査」とみるわけではないものの、デジタル性犯罪に対する認識と処罰のレベルがあまりにも低い現実が引き起こした論争だという点は明らかだ。

 あるポータルサイトの「違法撮影不公正捜査糾弾デモ」カフェでは、開設5日目に会員が2万人を越えた。彼らは、違法撮影被害者の98.4%が女性なのに、捜査機関は男性被害者の事件は速かに処理して女性の事件はほぼ放置状態だと指摘している。大統領府の掲示板に上がった「女性も韓国国民です。性別関係なく国家の保護を要請します」という請願も30万署名を突破した。被害者が男性であることや、写真が「男性嫌悪」サイトのウォマド(womad)に上げられた点のために今回の事件が大きな注目をあびていることは事実だ。同時にこの事件は捜査対象が限定されていて流布の経過も特定されるという点で、迅速な犯人検挙が容易な条件を備えている。かえって生ぬるい態度に出たとすれば、警察が非難された事案だ。類似事件の前例に照らして拘束は行き過ぎだという主張については意見が交錯するものの、被疑者が携帯電話を捨てるなどの証拠隠滅の試みがあったという点は見逃すことはできない。

 私たちがさらに注目すべきことは「被害者が女性でもこうしただろうか」という声が出て来ざるを得ない現実だ。国内最大の淫乱サイトだったソラネットは、粘り強い女性団体の問題提起の果てに閉鎖されたが、類似のリベンジポルノ類のサイトの拡散スピードに捜査機関はついて行けていない。「海外サイトのため捉えるのが難しい」という話を警察から知らされ、おぞましい映像を自ら削除しなければならない被害者も多い。韓国の女性弁護士会の判決分析によると、映像物の撮影流布罪の場合、罰金刑が70%を越えている。このように低い処罰レベルのもとで、盗撮などのデジタル性犯罪は過去10年間で最も急増した性犯罪になった。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「盗撮、デートDVなどは女性の人生を破壊する悪性犯罪」として「捜査機関はもっと重大な違反として扱う認識の転換が必要だ」と述べている。デジタル性犯罪は性別に関係なく「人格殺人」であり、許すことのできない「性的暴行犯罪」だ。今回の事件を、このような認識を広め処罰のレベルを高めるきっかけにすべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/844713.html 韓国語原文入力:2018/05/15 16:34
訳T.W