ドナルド・トランプ米大統領が6月12日にシンガポールで開かれる予定の朝米首脳会談を控え、朝鮮戦争の終結の可能性を直接取り上げたことで、終戦宣言に対する関心が高まっている。南北米首脳が集まって「朝鮮半島でこれ以上戦争はない」と宣言すれば、これは地球上に唯一残った冷戦体制を解消し、恒久的平和体制へと向かう第一歩を意味する。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が昨年7月のベルリン宣言を通じて初めて終戦に言及して以来、4・27板門店(パンムンジョム)宣言を通じて公式化し、5・26第2次南北首脳会談の結果を発表する記者会見で「南北米3カ国首脳会談を通じた終戦宣言」を取り上げるなど、数回終戦宣言に言及したのもこのためだ。
大統領府は、朝米首脳会談の場所がシンガポールに確定される以前、板門店での開催を希望し、朝米双方にさまざまなチャンネルを通じてこのような意思を伝えた。朝鮮半島の非核化とこれに相応する体制保証の議題を取り上げる朝米会談が成功した場合、直ちに南北米首脳会談を開催しやすいという判断が働いた。薄氷の上を歩く時は足早に進むべきという教えに従ったものだ。さまざまな要因によって再びこじれかねない朝鮮半島の情勢を安定化させるのに(終戦宣言が)大きな象徴性と効力を発揮できると期待しているようだ。
大統領府関係者はハンギョレとの電話インタビューで「実際、終戦宣言も平和協定も、その後具体的な実践につながらなければ、あまり意味がないかもしれない」としながらも、「それでも文大統領が南北米首脳による終戦宣言を強調してきたのは、終戦宣言が朝鮮半島での敵対関係を終わらせ、非核化と恒久的平和定着に向かう最初の足がかりになり得るため」と話した。終戦宣言そのものよりは当事者たちの履行の方が重要だが、朝鮮半島の平和体制に進む長い道程に一区切りをつける意味があるということだ。同関係者は、朝米首脳会談の成功に続き南北米首脳会談を通じた終戦宣言が行われれば、南北、朝米関係の“退行”を防ぐ安全弁の役割を果たすだろうと予想した。
朝鮮半島問題の専門家らも、南北米首脳の終戦宣言が行われたら、休戦協定に代わる平和協定の締結に有利な環境が整うだろうと見通した。南北米3者が終戦を宣言した場合、これは平和協定に先立ち当事者間の敵対関係を解消する政治的意味を持つということだ。3者が「戦争が終わった」と宣言することで、平和協定に向かう扉を開き、今後、非核化の最終段階で平和協定を締結し、法的・実務的体系を完成する経路も考えられる。朝米関係に詳しい消息筋は「政治的意味から見て、終戦宣言が事実上の平和協定になる」とし、「その後に実際締結される平和協定は実務協定の形になるかもしれない」と話した。南北の海上境界線の確定問題や在韓国連軍司令部の存立の可否、戦争に対する処理問題はこの段階で議論できる。
チョ・ソンニョル国家安保戦略研究院首席研究委員も「平和協定や朝米国交正常化を条約で保証することは、非核化の完了段階で可能だ」とし、「北朝鮮が非核化に着手し完了するまでに中間段階で体制を保証する案が必要だが、終戦宣言を通じてこれを政治的に保証するもの」だと話した。