文在寅(ムン・ジェイン)大統領が28日「今後も(第2回南北首脳会談と)類似した会談方式があり得る」とし、大統領府参謀陣に随時の南北首脳会談に備えるよう指示した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との板門店(パンムンジョム)での「日帰り会談」が頻繁に行われる可能性を示唆したわけだ。
文大統領は同日、大統領府で主宰した首席・補佐官会議で「今回の南北首脳会談で何よりも意味が大きかったのは、南北首脳が緊急な懸案を話し合うため、複雑な手続きと形式を省いて日常的な会合のように簡単に連絡し、簡単に約束し、簡単に会ったという事実」だと述べた。彼は「南北間に前回の板門店会談や今年の秋に予定された平壌(ピョンヤン)会談のように、格式をもって定期的な会談を行うのは、南北関係の発展に非常に重要なこと」だとしたうえで、「これに加え、定期的な会談の間に緊急な必要がある場合は、板門店の南側と北側地域を交互に行き来しながら実務的な会談を随時開けるようになれば、南北関係の早い発展をさらに促進できるだろう」と述べた。(板門店で開かれた)第2回南北首脳会談は、金委員長が提案した翌日に、儀典を最小化して行われた。文大統領は前日も「南北はこのように会うべきだ」と述べ、大きな満足感を示した。
文大統領は「これからも類似した会談方式があり得ることを念頭に置き、有事の際、大統領の職務代行や軍統帥権など空白を防ぐための事前準備や軍首脳部と国家安全保障会議(NSC)常任委員らの非常待機などの必要な措置と、(南北)取材陣のバランスを取る問題や関係国に対する事前・事後の通知案などを予めきちんと講じてほしい」と指示した。大統領府関係者は「板門店の北側地域で(首脳会談が)日常的に行われる可能性もあるため、そのような場合に備え、関連する制度的装置を整えておこうという趣旨」だと話した。これには安保空白を指摘する保守野党に(非難の)口実を与えないという意味も込められたものと見られる。
文大統領の発言は、金正恩(キム・ジョンウン)委員長との交感に基づいたものとみられる。金委員長は「よく会って協議し、同じ場所で膝をつき合わせて(問題に)取り組めば、約束を履行するのにとても重要な行動になる」と述べた。これに対し、文大統領も「必要な時に連絡して簡単に会えるというのが、南北関係の新しい時代を示す一つのシンボルになるだろう」と述べた。大統領府は、前回の4・27南北首脳会談を控え、「政府にとっては板門店での随時会談の定着がとても重要な関心事案」(ム・ジョンソク秘書室長)とするほど、力を入れてきた。