「弱者に対しては限りなく寛大だったが、不正と腐敗した権力に対してはいつも厳しいあなたでした。私たちはそんなあなたを忘れません」
参与政府で産業資源部長官を務めた丁世均(チョン・セギュン)国会議長は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領をこのように称えた。
盧武鉉元大統領の9周忌追悼式が23日午後2時、慶尚南道金海市(キムヘシ)進永邑(チニョンウプ)ボンハ村の盧元大統領墓地で行われた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領など5万人あまりが出席した昨年の追悼式よりも規模は小さくなったが、雰囲気は今までの追悼式の中で一番余裕があった。昨年の追悼式のときに頭を丸めて出席し、人々を驚かせた盧元大統領の息子のゴンホ氏は、「この1年、とても多事多難でした。何より髪の毛がまた生え始めました」と言って、出席者に冗談を飛ばしたりもした。
盧武鉉財団は「平和があってこそ統一がある」という安保観を持って「平和繁栄政策」を展開した盧元大統領の遺志を受けつぎ、今年の追悼式のテーマを「平和が来る」に決めた。これに合わせて特別映像も金大中(キム・デジュン)・盧武鉉元大統領や文在寅大統領が南北首脳会談をする場面をつなげて編集した内容が放映された。
イ・ヘチャン盧武鉉財団理事長は挨拶の言葉で「若者たちが最近一番楽しみにしていることは、列車に乗って北朝鮮と中国の丹東を経てヨーロッパに旅行に行くことだといいます。今日この場が、民主が前進し平和が定着する場になることを願います」と話した。
丁世均国会議長は公式追悼辞で「今、朝鮮半島には平和の春の機運がうねりを上げています。どんな冬も決して春には勝てません。今日私たちが迎えている朝鮮半島の春は、70年の歳月が作り出した反目と葛藤の氷河を溶かし、平和と繁栄の花をきっと咲かせるでしょう。いかなる価値も平和の上に置かないというあなたの言葉を胸に深く秘めて実現していきます」と述べた。
盧元大統領の息子のゴンホ氏は、遺族を代表して出席者に挨拶し、「朝鮮半島の平和の政局は今も不安な瞬間をかきわけて進んでいます。全国民が慎重で決然とした意志で北側のわが民族と世界を説得していかなければならない時期だと思います。来年は10周忌です。どうか北の代表も一緒に出席するくらいの状況と環境が実現することを祈ります」と期待をほのめかした。
この日の追悼式には共に民主党のチュ・ミエ代表とホン・ヨンピョ院内代表、民主平和党のチャン・ビョンワン院内代表、正義党のイ・ジョンミ代表とノ・フェチャン院内代表など、各政党代表団や国会議員60人あまりが出席した。ハン・ビョンド大統領府政務首席、キム・ブギョム行政安全部長官など政府代表団と朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長、ハン・ギョンホ慶尚南道知事の権限代行などの各地方自治団体長も参加した。金大中元大統領の息子のキム・ホンゴル民族和解協力汎国民協議会常任議長も出席した。文在寅大統領が韓米首脳会談のために米国を訪問しており、李洛淵(イ・ナギョン)首相は直接参加できずペ・ジェジョン秘書室長を代わりに送った。自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表は出席せず、供花だけ送った。
盧元大統領の墓が昨年「国家保存墓地第1号」に指定されたことによって、海軍儀仗隊が初めて参加し、墓地で出席者たちが参拝と献花をしている間、弔銃を撃ち鎮魂曲を演奏した。追悼公演で歌手のイ・スンチョル氏は、盧元大統領が死去した2009年に盧元大統領を追悼して発表した曲「あんな人は他にいない」を歌った。ノチャッサ(「歌を探す人々」)と市民合唱団は「あなたのための行進曲」「朝露」などを歌った。