北朝鮮の豊渓里(プンゲリ)核実験場廃棄行事を取材する外信記者団が22日、北朝鮮を訪問するために彼らが北側に支払う費用にも関心が集まっている。一部のメディアは、北側が「ビザ名目で1人当たり1万ドル(約110万円)を要求した」と伝えた。非核化に向けた初の顕著な措置と解釈されるこの行事で、北朝鮮は一部の指摘のように「ビザ商売」に出たのだろうか?
韓国取材陣はこの日朝、北京首都空港で元山(ウォンサン)行きの飛行機に乗るために手続きを踏んだ外信記者たちに「北側にビザ名目で1万ドルを支払ったか」と尋ねた。米国CNNのティモシー・シュワルツ北京支局長は「費用(fee)はなかった」と答えた。別の外信記者も「160ドルを事前に払い、普段の出張費程度の費用がかかると見られる」と話したという。これに先立って北側は15日に通知文で「招請された記者たちの旅費、滞在費、通信費をはじめとするすべての費用は自己負担」と明らかにした。匿名を前提にハンギョレの取材に応じた外信関係者も「普段の訪朝取材くらいの水準のビザ費用を払った」として「1万ドル説を聞いて知っているが、事実ではない」と話した。「APTN」は同じ質問に「私たちは平壌(ピョンヤン)支局があるため他所とは進行手続きが違う」と答えた。APTNは2006年に西側報道機関としては初めて平壌に支局を開設し運営している。
それでは外信記者たちが言及した「普段」の北朝鮮取材ビザ発行費用はいくらだろうか?
北朝鮮の観光商品を販売する中国と欧州の複数の旅行会社によれば、北朝鮮観光用ビザは50ユーロ(約6500円)で発行されることが確認された。北朝鮮取材のためには別途の費用がかかると案内したが、具体的な金額は明示しなかった。これに関連して、昨年4月に北側が金日成主席誕生日(太陽節)を契機とした黎明通り竣工式などに200人ほどの外信取材陣を招請した時の状況を見れば、概略費用を推定できる。ロイター通信のワン・スエリン記者は、訪朝取材文でオーストラリア出身の自分は「137ドル」(約1万4千円)、「米国人記者は約175ドル」(約1万8千円)を払ってビザを受け取ったと書いた。いずれにしてもいわゆる「1万ドル要求説」とは雲泥の差だ。ハンギョレと通話したある訪朝外信メディア関係者は「1万ドル説がどこから出てきたのか疑問」と話した。
韓国取材陣を除き今回の豊渓里核実験場廃棄行事に招待された外信は、4カ国の放送会社と通信社で、米国のCNNとCBS、中国のCCTVと新華社通信、英国のAPTNとスカイニュース、ロシアのロシアトゥデイだ。