本文に移動

韓国取材陣に「豊渓里取材」の最後の可能性残っている?

登録:2018-05-23 05:42 修正:2018-05-23 07:49
北朝鮮の「労働新聞」>特派員「明日まで待てば、いい知らせがあるかも」 
統一部当局者「北朝鮮が受け入れれば、直航路通じて元山へ移動できる」 
北朝鮮豊渓里核実験場の廃棄の取材に招待された海外メディアの記者団が今月22日、元山葛麻空港に到着し、入国手続きをしている=新華ニュースのツイッターからキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 22日、北京で踵を返した韓国取材団が北朝鮮の咸境北道吉州郡豊渓里(プンゲリ)にある「北部核実験場廃棄」行事を現場で取材する“大どんでん返し”が起きるだろうか? 南側の取材陣は、北朝鮮が入国を許可しなかったため、22日に元山(ウォンサン)に到着した米国や中国、英国、ロシア4カ国の取材陣とは異なり、韓国に引き返さなければならなかった。

 しかし、当日午前、北京首都空港に出た「労働新聞」の北京特派員が意味深長な“メッセージ”を投げかけた。ウォン・ジョンヒョク「労働新聞」北京特派員は、空港の高麗(コリョ)航空のカウンター前で「韓国取材陣が今回の活動に参加できなくなったことについてどう思うか」という質問に対し、「南側記者団が参加してくれれば、私もうれしい。私も新聞社の記者だ」と残念な気持ちを語ったと、「聯合ニュース」が報じた。また、個人の意見ということを前提に、「(廃棄行事の)日程も23~25日だし、天気を見て(廃棄を)決めるため、今(4カ国の取材陣が乗った)この飛行機に乗れなかったとしても、明日でも(南側記者団が元山へ行く)可能性はある」とし、「我が元帥様(金正恩国務委員長)が文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談し、良い合意を成し遂げた。我々にとっては、朝鮮半島の大きな行事だ」と話した。さらに、「今すぐは不可能であることは明らかであり、我々は型破りに事を進めたりもするから、希望を持って明日まで待ってみれば、いい知らせがあるのではないかと思う」と付け加えた。

 ウォン特派員は「個人の意見」だとして、このような発言をしたが、朝鮮労働党中央委員会の機関紙である「労働新聞」の記者がこのような敏感な事案と関連し、単なる「個人の意見」を述べたとは思えないという指摘もある。

 さらに、同日夜9時39分に統一部当局者が「北朝鮮側が明らかにした豊渓里核実験場の廃棄日程にはまだ時間が残っているだけに、明日の朝、板門店(パンムンジョム)を通じて、南側取材団名簿を再び伝える予定」だとし、「北朝鮮側が受け入れれば、平昌五輪の前例に沿って南北直航路を利用して元山に移動できるだろう」と話した。政府の方針を夜遅くになって明らかにしたわけだが、これは、同日午前11時40分頃、政府が「統一部長官」の名義で「(南側)記者団の訪朝が実現しなかったことに対し、残念かつ遺憾に思う」として、訪朝が白紙化されたことを既成事実として受け止めたこととは、全く異なる雰囲気だ。

 その間、状況に何らかの変化が生じた可能性があるという期待混じりの指摘が相次ぐのもそのためだ。“状況の変化”とは、大きく分けて二つの側面から予想できる。一つめは南側取材陣の一歩遅れた豊渓里の現場訪問と関連した南北の水面下の協議が行われている可能性だ。二つめは、22日(現地時間)、ワシントンで行われる文在寅大統領とドナルド・トランプ米大統領の同席者のない単独会談で、北朝鮮が「良いメッセージ」だと受け止められる結果が出れば、状況が変わることもあり得るという期待感などだ。これと関連し、政府当局者は「特に申し上げることがない」として、口をつぐんだ。

イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/845773.html?_fr=st1韓国語原文入力:2018-05-23 02:16
訳H.J

関連記事