文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ米大統領の首脳会談翌日の23日(現地時間)、中国と日本の外交の首長らが同時にワシントンを訪問し、朝米首脳会談と関連した意見調整に乗り出す。トランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が来月12日にシンガポールで行う首脳会談と関連し、朝米間の事前協議が膠着状態に陥った中、韓米日中4カ国の外交的動きが加速化しており、今週が今後の局面を決める一次的分岐点になるものとみられる。
匿名を要求した外交消息筋は20日(現地時間)、「中国の王毅外交部長が23日、ワシントンを訪問し、米国政府高官らと米中の懸案について協議する」とし、「主要懸案は朝米首脳会談での非核化問題」だと話した。
王毅部長は訪米過程で、段階的・同時的非核化解決策を主張する北朝鮮と、迅速かつ果敢な北朝鮮の先制的非核化措置を求める米国の間で、折衝案を提示するものと予想される。ある消息筋は、中国の非核化の解決策に関して、朝米の要求をすべて反映した「迅速かつ段階的・同時的な解決策」だと話した。非核化の時期は繰り上げるものの、行動対行動原則により非核化措置に合わせて見返り措置を取ることを内容としているものと見られる。
特に、北朝鮮が主張する段階的・同時的解決策と関連し、王外相は先月初め、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相との会談後、「すべての段階で各国は相応する責任と義務を果たさなければならない。そうしてこそ平和プロセスの持続が保障され、対話と談判が中断されないことが保障される」と強調した。
さらに、王部長はトランプ大統領が今月17日、最近の北朝鮮の立場の変化と関連し「中国黒幕説」に言及したことについても、米国側の誤解を解くために努力するものと予想される。
河野太郎外相も23日、ワシントンを訪問し、マイク・ポンペオ国務長官などと朝米首脳会談をめぐって協議を行なうものとみられる。河野外相は、当初21日にアルゼンチンで開かれる主要20カ国・地域(G20)外相会議に出席した後、他の南米国家を訪問する予定だった。ところが、ポンペオ長官が22日、韓米首脳会談の準備のためG20会議に出席しないという情報を入手し、予定を変更して米国を訪問することになったと共同通信が報道した。
河野外相が米国関係者らとの会談で、非核化を越えて生物化学兵器やすべての弾道ミサイル、日本人拉致問題などにまで議題を拡大すべきという従来の主張を固執するかどうかがカギとなる。「議題の拡大」は朝米事前交渉が行き詰まっている原因の一つに指摘されているからだ。
河野外相は20日、ブラジルのサンパウロで行った演説で「対北朝鮮制裁を緩和するタイミングを誤ってはいけない」とし、非核化に対する北朝鮮の具体的な行動の前には圧迫を緩めてはならないとして、米国側の強硬派の立場を支持した。ワシントンと東京の外交界では、安倍晋三首相と金正恩委員長の首脳会談に北朝鮮が消極的に対応していることを受け、日本政府が米国を通じて北朝鮮に間接的圧迫を加える戦略に出たという分析もある。