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[ニュース分析]トランプ大統領「終戦宣言の合意に共感」...当事国会談が可視圏に

登録:2018-04-30 01:19 修正:2018-04-30 11:46
今年中の終戦宣言の推進に弾み 
 
今月、数回も「終戦」に言及したトランプ大統領 
南北会談直後「朝鮮戦争が終わった」 
文大統領との電話会談で「共感」表明 
韓米「年内終戦」に事前協力した模様 
中国が拒否する理由なく、4者協議が有力 
 
「終戦宣言」、早ければ7月27日の可能性も 
具体内容より政治的意志盛り込まれる見込み
文在寅大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長が27日、板門店の平和の家で開かれた歓迎晩餐会で木槌を持ってデザートのチョコレートの円形ドーム「民族の春」を割った後、笑みを浮かべている=板門店/共同写真記者団//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米大統領が28日夜、文在寅(ムン・ジェイン)大統領との電話会談で「南北首脳間の終戦宣言に関する合意について、共感を表明」したとされる中、「年内の終戦宣言と恒久的平和体制構築に向けた3者または4者協議の開催」が可視化している。朝米が韓国を介して間接疎通する形を取っているが、主要当事国である南北と米国の3者の間に共感が確認されたということだ。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とトランプ大統領が5月末の朝米首脳会談で直接推進の意思を再確認すれば、年内に終戦宣言の推進などは本格的に弾みがつく見通しだ。関連当事国を4者に拡大した場合、もう一つの当事国となる中国の立場はまだ確認されていないが、これまで「朝鮮半島の平和と安定」などを公開的に支持してきた中国が、これを拒否する理由はないものと見られる。

 トランプ大統領は今回の4・27南北首脳会談に先立ち、すでに何度も「終戦」または「朝鮮戦争の終了」を言及してきた。17日、日本の安倍晋三首相との日米首脳会談では「彼ら(南北)は従来問題を協議しており、私はこの協議を祝福する」と述べており、27日の南北首脳会談の直後には、ツイッターに「朝鮮戦争が終わる」と感想を書き込んだ。これはトランプ大統領が今回の南北首脳会談で「終戦宣言」が議論・合意される事実を、事前に知っていたことを示唆する。今回の4・27板門店(パンムンジョム)宣言の「年内の終戦宣言」合意が、韓米間の事前の緊密な協力に基づいて推進されたことを示す事例と言える。

 終戦宣言および和平協定の採択が北朝鮮核問題の解決策と連動して構想されたのは、金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代まで遡る。しかし、北朝鮮は長い間、この問題を「朝米間の問題」だとして韓国を当事者と見なしておらず、これに対して米国は「韓国を排除した終戦および平和協定はない」と主張してきた。しかし、金大中政権の積極的な仲裁で朝米関係が改善され、2000年10月に採択された「朝米共同コミュニケ」は「1953年の停戦協定を強固な平和保障体系に切り替え、朝鮮戦争を公式に終息させることにおいて、4者会談など様々な方法があることについて見解が一致した」と宣言した。また、ジョージ・ブッシュ大統領は2006年11月、盧武鉉大統領との韓米首脳会談で、「北朝鮮の核廃棄」を前提に「私と盧大統領、金正日(キム・ジョンイル)が一緒に朝鮮戦争を完全に終結する和平協定に署名したい」として、3者和平協定の締結を取り上げた。これと共に、南北間の協議にも進展が見られ、翌年の2007年10月、10・4首脳宣言で南北首脳は「3者または4者の首脳が朝鮮半島地域で会談し、終戦を宣言する問題」に協力することにした。

文在寅大統領と金正恩国務委員長が27日、板門店の平和の家で開かれた南北首脳会談の晩餐会でマジック公演を観覧しながら明るく笑っている=板門店/共同写真記者団//ハンギョレ新聞社

 1953年7月27日に締結された停戦協定は6・25戦争(朝鮮戦争)を中止するという“軍事的合意”だ。交戦した当事者が「射撃中止」に同意したのだ。単純な射撃中止を超えて、状況を戦争以前の平和状態に戻すためには、法律的責任と義務を規定した戦後処理問題や今後の交戦当事者間の関係設定問題などと関連した“政治的合意”としての終戦宣言、ひいては平和協定が必要だ。実際、朝鮮戦争以降、参戦国19カ国は1954年、ジュネーブで政治交渉を行なったが、合意には至らなかった。1953年の停戦体制はまず、古い冷戦の遺物という点で克服の対象だ。同時に、65年がたちながら南北間の局地的な衝突を予防できないなど、効率的な停戦管理にも限界があると評価されている。

 今回推進する終戦宣言がどんな内容かは、はっきりしない。政府が今回の南北首脳会談後に提供した説明資料によると、概ね年内に3者または4者会談を開いて終戦宣言をした後、平和協定の締結など恒久的な平和体制構築を本格的に推進していく進行手続きが描かれている。このようなスケジュールから類推してみると、終戦宣言は終戦処理と関連した政治・軍事・法律的な具体的内容よりも、これからの停戦体制から平和体制への転換を積極的に推進するという政治的意志を表明する宣言的内容に重きが置かれる公算が高い。停戦協定65周年の今年7月27日に合わせて、終戦宣言を推進する可能性も指摘されている。それから3者または4者は、北朝鮮の核問題が解決されて発展する過程などと連動し、平和協定交渉などを推進していくものとみられる。政府当局者は「平和協定問題には南北間の軍備統制や在韓米軍の地位、性格など軍事問題だけでなく、朝米関係の正常化など、朝鮮半島周辺の国際政治的要因とも絡み合っているため、時間がかかるだろう」と見通した。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2018-04-30 08:45

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/842622.html 訳H.J

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