文在寅(ムン・ジェイン)大統領は19日、「北朝鮮は国際社会に完全な非核化の意志を表明している」とし、南北・朝米首脳会談を通じて「65年間続いてきた休戦体制を終わらせ、終戦宣言を経て平和協定の締結に進まなければならない」と述べた。
文大統領は同日、大統領府でハンギョレをはじめとした48社のマスコミ社長団と昼食懇談会を開き、「北朝鮮が核保有国としての地位を主張し、核拡散を禁止したり、凍結する線で、米国と交渉しようとするだろうと予測する方たちがいるが、北朝鮮は完全な非核化の意志を表明している」としたうえで、「非核化の概念において、私たちと差があるとは思っていない」と述べた。文大統領はさらに、「(北朝鮮は非核化の見返りとして)在韓米軍の撤退とか、米国が受け入れられない条件を提示しているわけでもない」とし、「北朝鮮に対する敵対政策の終息と自らの安全保障について言っているだけ」だと付け加えた。北朝鮮が在韓米軍の撤退を要求しなかったということを、文大統領が直接明らかにしたのは、今回が初めてだ。
文大統領は、非核化に対する北朝鮮の積極的な態度から、南北、朝米首脳会談が大きな枠組みで成果を出すだろうと予想した。彼は「南北、朝米首脳会談を通じて、非核化や、非核化される場合の(南北の)平和体制の構築や、朝米関係の正常化や、北朝鮮の経済発展に向けた国際的な支援など、大きな枠組みで原則的に合意するのは、それほど難しくないだろう」と述べた。彼は「北朝鮮が積極的な対話意志を示しており、私たちは米国と完璧に情報を共有し、協議と協力を行ってきた」と言及し、このような議題をめぐり、南北米がかなりの部分で意見の一致を見たことを示唆した。これに先立ち、ドナルド・トランプ大統領は18日、「南北が終戦の問題を議論しており、これを祝福する」と明らかにした。しかし、文大統領は「冷静に言えば、私たちは対話の敷居を越えているだけ」だとし、「南北だけでなく、史上初めて開かれる朝米首脳会談まで成功してこそ、対話の成功を語ることができるだろう」と付け加えた。
文大統領は、南北首脳会談が続く朝米会談の成功に導く道しるべの役割を果たすべきだと繰り返し強調した。彼は「朝米協議と関係なく南北だけでは前に進めず、国際制裁を超えて合意できるわけでもないため、南北だけが合意できる内容はそれほど多くない」とし、「南北首脳会談ではまずは良いスタートを切り、朝米首脳会談の成果を見ながら、引き続き対話できる動力を見出さなければならない」と話した。
文大統領は、マスコミに進歩と保守を超えた協力を要請した。彼は「究極の目的である南北の繁栄は、保守と進歩の問題ではないと思う」とし、「マスコミが国論を固め、朝鮮半島平和の道しるべになれば、両首脳会談の成功はもちろん、朝鮮半島の完全な非核化と恒久的平和定着もより早く実現できると思う」と話した。
一方、キム・ウィギョム大統領府報道官は「20日、南北首脳間のホットラインが繋がり、実務者間の試験通話が行われる予定」だと明らかにした。