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朝米首脳、ポンペオ長官指名者介して間接対話…首脳会談の準備、急速に進む

登録:2018-04-19 05:43 修正:2018-04-19 07:21
一般的な外交手続きでは「5月あるいは6月初め」の会談不可能 
トランプ大統領、“腹心”介して金正恩の非核化への意志直接確認 
非核化対「軍事脅威の解消及び体制保障」集中議論した模様 
ロイター通信「南北の諜報機関トップがポンペオ訪朝を仲介」
グラフィック=チョン・ヒヨン//ハンギョレ新聞社

 マイク・ポンペオ米国務長官指名者(CIA長官)の極秘訪朝と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との面談は、朝米首脳会談の準備が「トップダウン」方式で急速に進んでいることを象徴的に示すものと言える。朝米の実務接触があまり知られず、準備不足を理由に浮上していた「延期論」も、力を失うものと予想される。ロイター通信は18日付で、今回の訪朝が韓国のソ・フン国家情報院長と北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)統一戦線部長の仲介によるものだと報道した。南北、朝米接触の三角軸の役割をする情報機関の首長らの協力があったものとみられる。

 ポンペオ指名者の極秘訪朝は、「5月末あるいは6月初め」という朝米首脳会談の切迫した期限に合わせるため、実務的にも必要に迫られた側面があったものと見られる。韓国政府関係者は「今回の会談は何もないゼロ状態から行うもので、議題だけでなく、日程や儀典、警護など、準備に数カ月はかかるものを、1、2カ月以内に準備しなければならない」と話した。通常の手続きに沿って局長-次官-長官級の実務会談を経て、首脳会談を準備することは不可能ということだ。

 今回の訪朝は、実務的・技術的必要性のほかにもさまざまな目的に向けた布石とも見られている。時期的にも、先月25~28日に行われた金正恩委員長と中国の習近平国家主席の首脳会談の後であり、極秘裏に進められた朝中首脳会談の内容を把握する目的もあったと思われる。

 何より、トランプ大統領の特使としてポンペオ指名者の最大の目的は、金委員長との面会を通じて非核化の意志を直接確認することにあったとみられる。金委員長と面会した韓国政府の特使団や中国を通じて「非核化の用意」を伝え聞いたものの、朝米首脳会談に向けた国内の政治的動力を確保するには、それだけでは十分ではなかったからだ。このような側面で、トランプ大統領の最側近と言われるポンペオ指名者の訪朝は、“特使外交”を通じた金委員長とトランプ大統領の初の“間接対話”と見ることもできる。その結果について、トランプ大統領が「順調だった」、「良い関係が形成された」と述べたのは、金委員長の「意志」を信頼するというメッセージと言える。

 これに先立ち、米国の各マスコミは米政府高官を引用し、金委員長が朝米首脳会談に向け、朝鮮半島の非核化を議論する準備ができたことを米国側に伝えたと一斉に報じた。ポンペオ指名者の訪朝を前後にして、朝米が水面下でさらに接近してきたものとみられる。金委員長が今月9日、労働党政治局会議で異例的に朝米対話を直接言及したのも「対話への意志」を固めた発言だ。

 ポンペオ指名者は訪朝の際、北朝鮮が非核化の条件として要求する「軍事的脅威の解消および体制安全の保障案」と関連しても、踏み込んだ論議を行ったものと見られる。朝米首脳会談議論の状況に詳しい複数のワシントン消息筋は、ハンギョレに「最近の朝米接触で北朝鮮が、韓国における米国の核戦略資産の撤退▽韓米合同軍事演習、核戦略資産展開の中止▽通常兵器および核兵器で攻撃しないという保障▽停戦協定の平和協定への切り替え▽北朝鮮と米国の国交正常化などを提示した」と明らかにした。

 米国国内の雰囲気も概ね肯定的だ。ポンペオ指名者は12日に開かれた上院外交委員会承認聴聞会で、「トランプ大統領の(朝米首脳)会談を通じて(一気に)包括的合意に達するという幻想を抱く人はいないだろう。しかし、そういう合意文を作り達成するため、両指導者が受け入れられる条件を定めることはできる」と述べた。

 米国が「北朝鮮の時間稼ぎ」を阻止するため提示している1~2年程度の「非核化の期限」に北朝鮮が同意したかについては確認されていない。首脳会談の場所の問題をめぐり、双方は依然として神経戦を繰り広げているという。

 トランプ大統領が、日本の安倍晋三首相との首脳会談の冒頭で、朝米の最高位級の直接対話の事実と南北間の終戦問題の協議事実に触れたのも興味深い。一部では朝米交渉のスピードを落としたい安倍首相に対する牽制という分析もある。民主党支持者たちの間では、ポンペオ指名者が「立派な外交官」という点を強調し、上院の承認可決を後押しするためという主張もある。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、キム・ジウン、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/841134.html韓国語原文入力:2018-04-18 21:55
訳H.J

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