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「北朝鮮、非核化の見返りとして5つの案を米国に提示した」

登録:2018-04-13 06:06 修正:2018-04-13 06:42
首脳会談の実務接触で要求  
1.韓国における米国の核戦略資産の撤退  
2.韓米戦略資産演習の中止  
3.通常・核兵器による攻撃の放棄  
4.平和協定の締結 
5.朝米国交正常化  
在韓米軍の撤退は主張せず
北朝鮮の金正恩労働党委員長が今月9日、朝鮮労働党中央委員会政治局会議を主宰している=平壌/朝鮮中央通信聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とドナルド・トランプ米大統領の「5月末か6月初め」の首脳会談を控え、最近行われた朝米間の実務接触で、北朝鮮が非核化に相応する見返りとして、5つ前後の「軍事脅威の解消および体制安全の保障」案を米国側に具体的に提示したという。

 朝米首脳会談の協議状況に詳しい複数の消息筋は11日(現地時間)、「最近の朝米接触で、北朝鮮が韓国における米国の核戦略資産の撤退▽韓米合同軍事演習、核戦略資産の展開の中止▽通常兵器および核兵器で攻撃しないという保障▽停戦協定の平和協定への転換▽北朝鮮と米国の国交正常化などを提示した」と明らかにした。

 特に、北朝鮮はこの場で、在韓米軍の撤退を要求しておらず、これからも体制安全が保障されれば米軍の撤退は要求しないという方針を伝えたという。これまで一部では、北朝鮮が体制を保障する方法の一つとして在韓米軍の撤退を要求するという見通しを示してきた。

 これに先立ち、チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長を団長とする対北朝鮮特使団は、金委員長と面会した後に発表した先月6日の「マスコミ発表文」で、「北側は朝鮮半島非核化の意志を明確にしており、北朝鮮に対する軍事的脅威が解消され、体制安全が保障されれば、核を保有する理由がないという点を明確にした」と明らかにした。これによって、北朝鮮が求める「軍事脅威の解消および体制安全の保障案」に注目が集まった。

 米国側も北朝鮮の非核化の意志が確実なら、平和協定の締結や朝米国交正常化にも肯定的な雰囲気であるという。ただし、米国は、過去の失敗を繰り返してはならないという原則に基づき、いわゆる「北朝鮮の時間稼ぎ」を防ぐため、非核化の時間を最大限短縮させることを目指しているとされる。

 トランプ政権が定めた「非核化の期限」と関連し、ある消息筋は「大体これから1年程度と言える」とし、「しかし、交渉過程で、技術的問題などにより2年程度になる可能性もある」と見込んだ。米国は少なくともトランプ大統領の任期が終わる2020年末までは非核化を完了するという目標を「マジノ線」にしているという。

 朝米首脳会談では「非核化の期限」及び「非核化および補償に対する基本的原則」などの二つだけを決め、具体的なロードマップについてはその後の後続実務会談で協議が行われると、複数の消息筋は明らかにした。韓国政府高官も今月10日、ワシントン駐在の韓国特派員団に「朝米会談は、過去の首脳会談と異なり、トランプ大統領と金国務委員長が会って大きな枠組みで合意し、具体的なものは後続会談で交渉が行われるだろう」と話した。

 場所の問題をめぐっては依然として平壌(ピョンヤン)とワシントンをめぐり、双方が激しく駆け引きを続けているという。韓国での朝米会談開催の可能性は以前に比べて低くなったものとみられる。

 11日(現地時間)午前、米国のワシントンに到着したチョン・ウィヨン室長は、ボルトン新任ホワイトハウス国家安保補佐官と面会し、今月27日に開かれる南北首脳会談および5月末~6月初めに行われる朝米首脳会談と関連して、意見交換や調整に乗り出す。今月9日に就任したボルトン安保補佐官との疎通チャンネルの確保も訪米目的の一つと言える。キム・ウィギョム大統領府報道官は同日、「チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長は、米ワシントンで11日午後、米国家安全保障会議(NSC)側と予備協議を行っており、12日午前にはボルトン国家安保補佐官と協議を行う予定」だと明らかにした。

 チョン室長は、南北首脳会談の3大議題である非核化や平和体制、南北関係の発展に関する韓国側の構想を説明し、北朝鮮側の立場についても情報を提供するものと予想される。また、朝米首脳会談に役立つ交渉戦略についても助言するものとみられる。南北首脳会談と朝米首脳会談の間に開かれる韓米首脳会談をめぐる意見調整も行うという。

 一方、マイク、ポンペオ米国務長官指名者は12日午前開かれる上院の承認聴聞会を控え、ホワイトハウスを通じて配布した冒頭発言の抜粋録で「数十年間、我々に加えられた脅威(北朝鮮核問題)を解決することより、国務省で(優先順位が)高い外交的懸案はない」と強調した。彼は朝米首脳会談と関連し、「中央情報局(CIA)長官を務めていた際、北朝鮮との交渉の歴史を読んだ。過去の過ちを繰り返さないことを確信している」とし、「トランプ大統領も交渉を適当に終わらせる人ではなく、私もそうだ」と強調した。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/840412.html韓国語原文入力:2018-04-13 05:01
訳H.J

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