ソウル市議会が7カ所だった基礎議員(区会議員)の4人選挙区案を、全て2つに分けて4人選挙区が一カ所もない修正条例案を可決させた。大田(テジョン)・慶尚北道・京畿道・釜山(プサン)・慶尚南道・大邱(テグ)・江原道・仁川(インチョン)の市・道議会に続いてソウルまで、3~4人選挙区を2人選挙区に割ったのだ。二大政党である共に民主党・自由韓国党が、政治的多様性確保という中・大選挙区制の意味を無視して議席確保だけに没頭したという批判が高い。
「ソウル市議会は応答せよ!」 20日午前11時、ソウル中区のソウル市議会別館1階で政治改革共同行動など市民団体と正義党、緑色党員30人余りが喉も裂けよとばかりに叫んだが、議会は“応答”しなかった。この日、選挙区条例改正案審議を前に、行政自治委員会常任委の会議場のドアは傍聴を許さないまま固く閉ざされていた。
ソウル市議会のホームページで生中継されたこの日の常任委会議は、開始後10分で自由韓国党のキム・ヒョンギ市会議員の提案で停会となり、30分後に再開、ソウル市自治区議員選挙区画定案の修正案に合意するという事実のみを宣言してすぐに終わった。市議会議事担当官室は「停会時になされた論議は速記録や動画などいかなる記録も残さない」と明らかにした。誰がどんな理由で、選挙区画定案修正を要求したのか分からないようにしたわけだ。
この日、民主党所属市会議員8人と韓国党所属市会議員2人が満場一致で修正案に合意した。この修正案は、ソウル市自治区議員選挙区画定委員会が4人選挙区として提案した7カ所の選挙区を全部2つに割って2人選挙区にした。 また、3人選挙区5カ所のうち1カ所だけを除き、残りは全部2人選挙区に修正した。最初4人選挙区を35カ所に拡大する草案を出して選挙区改革論議に火をつけたソウル市選挙区画定委員会は、韓国党と民主党の反発にぶつかり4人選挙区を7カ所だけ新設するという案に後退したが、結局それさえも巨大政党の壁を越えることができなかった。
この日午後3時に開かれた市議会本会議でも跛行は繰り返された。正しい未来党所属の議員8人が議長席で「基礎議員選挙区画定、3~4人に拡大せよ」というプラカードを持って示威をしたが、民主党・韓国党の議員たちに引きずり下ろされ、55人の議員のうち53人の賛成で修正案は可決された。
正義党ソウル市本部のソ・ジュホ事務局長は「地方分権を強化する改憲案を出して選挙制度改革に共感していた民主党の主導するソウル市議会が、既得権維持のために政治改革を放棄した。選挙区画定案後退の責任と手続き上の問題を必ず問う」と語った。