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「ろうそく革命は進行中、完成するためには?」…弾劾案国会可決から1周年討論会

登録:2017-12-09 06:22 修正:2017-12-09 08:39
ウ・サンホ共に民主党議員とザ未来研究所が主催 
国会での弾劾の過程記録した白書も出版  
「ろうそくは未完の87年6月抗争を30年ぶりに完成した意味」 
「積弊を清算するためには、大統領の権限を与党に大幅に移譲すべき」 
朴前大統領弾劾案の国会本会議議決1周年(12月9日)を控えた今月8日、当時第1野党の院内代表ウ・サンホ共に民主党議員とのザ未来究所が共同主催した「朴槿恵国会弾劾の政治史的意味と韓国政治の時代的課題討論会」で、出席者らが討論している=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 「朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾は、逆説的にも、民主的な手続きを最も大きく破った大統領を民主化30年を迎える時点で民主的な憲法手続きに基づいて審判した歴史的性格を持つ」

 昨年12月9日の朴前大統領に対する国会弾劾訴追案の成立1周年を迎え、8日、共に民主党のウ・サンホ議員とザ未来研究所が共同主催した「朴槿恵国会弾劾の政治史的意味と韓国政治の時代的課題」国会討論会で、冒頭発表を行った仁川大学のイ・ジュナン政治外交学科教授はこのように述べた。ザ未来研究所とウ・サンホ議員は弾劾過程で政界で起きたことを記録した「弾劾、100日間の記録」白書を討論会現場で配布した。この白書について、当時共に民主党の院内司令塔として弾劾局面を主導したウ・サンホ議員は「白書の表紙を黒にしたのは、弾劾を控えていた大韓民国の暗黒のような状況を象徴しており、後ろの表紙には握られたろうそくが白い明かりで明るく輝いている絵を入れた。この1年を象徴する本という意味」だと説明した。

 討論会の司会を務めたザ未来研究所のキム・ギシク所長は討論会の趣旨について、「ウ・サンホ議員は30年前の街頭闘争の主役だったが、30年後には議会で弾劾の主役となった。これは世界史であまり類を見ない事例で、韓国民主主義の発展の歴史を象徴的に表していると思う」としたうえで、「朴前大統領弾劾の主役は明らかにろうそくを持った国民だった。それと同時に弾劾の過程で代議機関である国会がどのように作動したのかを正確に振り返ることで、民主主義を制度的枠組みで発展させることができるという趣旨で、今回の討論会を設けた」と説明した。

 討論会の出席者らは昨年のろうそく集会と現在の第9次改正憲法を作った1987年6月抗争を比較しながら、ろうそく集会の意味を振り返った。イ・ジュナン教授は「2016年のろうそくは朴槿恵前大統領の違憲性を処罰し、憲法精神の守護を目指したが、1987年6月抗争は大統領間接選挙制の非民主性を乗り越えるために直選制に改憲を追求したという点で、大きく異なる」と指摘した。

 キム・ギシク所長は「87年6月抗争を通じて今の憲法が成立したが、独裁政権を完全に排除できず、未完に終わった」としながらも、「しかし、その憲法に基づき朴前大統領を弾劾できたことで、87年6月抗争が果たせなかった革命を30年ぶりに完成したのではないかと思う」と述べた。キム所長はさらに、「87年6月抗争は、抗争と李韓烈(イ・ハンヨル)烈士の葬儀まで続いた街頭闘争と、その後に議会での制度的な改憲が行われる過程で、時期的に区分される。一方、今回の弾劾の過程は議会と街頭での抗争過程が相互作用をしながら同時に行われた点で、87年6月抗争とは異なるもう一つの意味がある」と強調した。

 今後の課題についても、様々な論議が行われた。イ・ジュナン教授は「大統領に対する牽制と均衡が徹底的に作動し、大統領の立法権や予算権、人事権を大幅に縮小し、大統領が憲法と法律を遵守して個人やメディア、企業の自由を保障する方向で制度を変えなければならない」と述べた。

 討論者として参加した高麗大学社会学科のキム・ユンテ教授は「弾劾を率いたろうそく集会で噴出した要求を政党と政府が十分代弁できておらず、特に、野党多数の国会議席構造でろうそく市民革命の要求が挫折するかもしれないという不安感も大きくなっている」としたうえで、「市民革命が成功する瞬間、市民革命が止まるジレンマ状況が発生した」と指摘した。キム教授は市民革命ジレンマの解決に向けて「積弊清算と、崩れた法治主義の原則を守り、経済民主化や福祉国家などに向けた政府の積極的な努力が必要だ。また、ろうそく市民革命の制度化に向けて国民の基本権と議会権力を強化する改憲が必要で、大衆の多様な政治的要求が効果的に表出されるドイツ式の政党名簿比例代表制やスウェーデン式大選挙区制など、選挙制度改革も急がれる」と指摘した。

 ハンギョレのソン・ハンヨン先任記者は「積弊清算は制度改革に帰結しなければならないが、制度改革は憲法と法律を改正すること」だとしたうえで、「野党の協力がなければ、制度改革ができない。その政治的責任は文在寅(ムン・ジェイン)大統領と共に民主党が負わなければならない」と述べた。ソン先任記者は「文在寅大統領は新政府が『文在寅政権』ではなく、『共に民主党政権』になるべきだと、数回約束した」とし、「共に民主党政権になるためには、党代表や院内代表、政策委議長に大統領の権限を配るなど、政策決定権限を実質的に共に民主党に与え、政府与党間協議で主要政策をほとんど決定するようにして、大統領府は後に退くべきだ」と強調した。

 キ・ドンミン議員は「来年の地方選挙を控え、本格化する改憲議論で政治制度問題を含め、地方分権型改憲や生命・人権の尊重、環境権など多様な社会権の保障など、87年憲法体制が露呈した限界を補完すると共に、社会的変化を反映できる新しい憲法秩序を生み出す工夫が必要だ」と述べた。ろうそく集会を現場で準備した参与連帯のアン・ジンゴル事務処長は「民生問題が解決され、民生民主主義、福祉国家を実現するまで、ろうそく市民革命を続けなければならない」と述べた。

キム・ギュナム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/822702.html韓国語原文入力:2017-12-09 00:13
訳H.J

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