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トランプ発貿易戦争に3大経済圏が激突…火の粉を懸念する韓国

登録:2018-03-05 08:18 修正:2018-03-05 17:18
トランプ「欧州産自動車に税金賦課しうる」 
「貿易戦争は良いことで勝つのも容易だ」正面突破を示唆 
EUの鉄鋼高率関税に対する報復関税方針に対抗 
 
EU、バイク・ウイスキーなど100あまりの品目で報復関税を準備 
中国「利益侵害されれば必要な処置とる」と警告
資料写真//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米大統領の「貿易戦争」宣言に欧州連合(EU)が報復関税を準備し、トランプ大統領は再び報復関税を公言して、世界貿易秩序の混乱が深まっている。

 トランプ大統領は3日(現地時間)、ツイッターの書き込みで「欧州連合がそこ(欧州)で事業をしている米国企業に今もきわめて高い関税や障壁をさらに高めようとするなら、我々も米国に大手を振って入って来る彼らの自動車に税金を課すだろう」と明らかにした。さらに「彼らは欧州での韓国の自動車販売を不可能にしている。莫大な貿易赤字だ!」と主張した。米国市場での占有率が高いBMW、フォルクスワーゲン、アウディなど欧州ブランドを狙って関税(乗用車は2.5%、ピックアップトラックは25%)を大幅に上げる可能性があると警告したのだ。彼は前日には、「貿易戦争は良いことであり、勝つのも容易だ」と明らかにした。

 トランプ大統領の威嚇は、1日に輸入鉄鋼に高率関税を課すと明らかにした後に欧州連合が反発すると、再反撃の形であらわれた。欧州連合はオートバイメーカーのハーレーダビッドソン、ウィスキーメーカーのバーボン、ジーンズメーカーのリーバイスなど、米国の“象徴的なブランド”に同レベルの関税を賦課する案を検討している。ハーレーダビッドソンは共和党の第1人者であるポール・ライアン下院議長の選挙区であるウィスコンシンで生産されており、バーボンウイスキーは共和党上院院内代表のミッチ・マコーネル議員の選挙区であるケンタッキーの代表商品だ。欧州連合が政治的影響まで計算したことを推測することができる。コメ・トウモロコシ・オレンジなどの米国産農産物も報復関税の対象に入れるという。フィナンシャル・タイムズは、欧州連合が5日に100以上の報復対象品目を公開する予定だと報道した。

 米国の最大輸入国の中国も報復の可能性を流している。張業遂中国外交部副部長は4日、「米国との貿易戦争は望まないが、中国の利益を害する行動をするならば傍観せず、必要な処置を取る」と明らかにした。

 トランプ大統領が「貿易戦争」を喜んで追求すると発表したうえ、世界3大経済圏が衝突の様相を呈しており、韓国に悪影響を及ぼす可能性も懸念される。米国が欧州産自動車に対し報復関税を課せば、他の競争国たちは相対的に有利になりうる。しかし、戦争拡大で鉄鋼とアルミニウムに続き対米主力輸出商品1~4位の自動車、無線通信機器、自動車部品、半導体にまで“火の粉”が飛びかねないという懸念が出ている。米国が中国を圧迫すれば、韓国の中国への中間財輸出に悪影響が出かねない。

 サムスン証券のシム・ヘジン研究員は「トランプ大統領は11月の中間選挙を控え、支持基盤の製造業労働者と産業界の声を積極的に受け入れ、貿易赤字誘発国を対象に保護貿易措置を拡大する可能性が高い」と見込んだ。キム・ヤンヒ大邱大学教授(経済学)は「欧州連合と中国などが反発し、韓国の輸出にも影響が避けられない状況で、極端な対立は共倒れをもたらす恐れもあるため、国際協力が必要だ」と話した。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、チェ・ハヤン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/globaleconomy/834517.html韓国語原文入力:2018-03-04 22:44
訳M.C

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