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トランプ「鉄鋼25%一括関税」強硬姿勢…すべての国家を“貿易の敵”に

登録:2018-03-02 22:33 修正:2018-03-03 08:40
米国マスコミ「大多数の参謀の反対押し切りゴリ押し」 
鉄鋼の中心地ペンシルベニア州の13日の選挙意識か 
ポール・ライアン下院議長、共和党指導部も反対の声
ドナルド・トランプ米大統領(中央)が1日、ホワイトハウスで鉄鋼・アルミニウム業界の経営陣と会い、鉄鋼とアルミニウムの輸入に対する高率関税賦課を発表している=ワシントン/EPA聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領が、鉄鋼とアルミニウムの輸入に対して「選別課税」ではなく「一括課税」という超強硬手段を持ち出した。すべての国を“貿易の敵”に回す格好なので、米国内外の反発も強まっている。

 「鉄鋼25%一括関税」、「アルミニウム10%一括関税」というトランプ大統領の1日(現地時間)の発表は、最も苛酷な貿易報復選択肢に挙げられる。商務省があげた3つの案の中でも最も破壊力が大きい「鉄鋼24%一括関税」、「アルミニウム7.7%一括関税」より高い関税を賦課する方案であるためだ。

 トランプ大統領が大多数の参謀の反対を押し切って“外科手術”的な規制の代わりに全面的な貿易戦争を宣言した理由は正確には分かっていないが、いくつかの推論は可能だ。

 まず、トランプ大統領は1月に韓国を含む洗濯機と太陽光パネルの輸入に対するセーフガード(緊急輸入制限措置)と関連しても、商務省勧告案以上に強硬な措置を発動した。“ショック療法”による突破を好んでするトランプ大統領特有の勝負師的気質が作動したとも見える。

 第二に、各国の猛烈なロビーに直面して、特定国家を含めたり排除することが難しいという技術的な問題に直面したとも考えられる。「ストレーツタイムズ」は、トランプ大統領が1日に鉄鋼企業の最高経営者との会合で、特定国家を貿易制裁から免除すれば、他の国家も同じ待遇を要請しかねないとし、一括関税方針を明らかにしたと報道した。

 トランプ大統領は、法的には4月中旬に規制案を発表してもかまわないのに、発表時期を大幅に操り上げた。13日に鉄鋼産業の中心地であるペンシルベニア州連邦下院補欠選挙を控えているため急いだという観測が多い。トランプ大統領は民主党の牙城だったここを2016年の大統領選挙で奪還した。2020年の再選を念頭に置いたトランプ大統領の立場としては、確実に政治的基盤を固めなければならない所だ。

 だが、今回の議論の過程でトランプ行政府の乱脈の様相がそっくりあらわれ、ますます政策決定上の負担として作用しかねない。インターネットメディアの「エクシオス」は、政府内でトランプ大統領の措置に賛成した高位関係者は、ウィルバー・ロス商務長官とピーター・ナバロ貿易製造業政策局長しかいなかったと伝えた。また、このメディアは、トランプ大統領が反対派を意識して関係部署間とのまともな手順を踏まずに今回の措置をゴリ押ししたとし、「24時間に起きたこと(混線)は、ホワイトハウス・プロセスの完全な瓦解」と批判した。

 自由貿易を支持してきた共和党指導部もいっせいに反対の声を上げている。共和党のNo.1であるポール・ライアン下院議長室は声明を通じて「トランプ大統領が今回の規制案の意図されない結果を検討した後に、他の接近法を調べることを希望する」と明らかにした。貿易問題を掌握する共和党所属のオリン・ハッチ上院財務委員長、キャビン・フレディ下院歳出委員長も一斉に反対の立場を明らかにした。

 ジョージ・ブッシュ大統領は2002年3月、鉄鋼輸入に対して3年間のセーフガード措置を発動したが、外国の報復関税と内部反発などで予定よりはるかに早い2003年12月に突然撤回した事例がある。トランプ大統領がブッシュの道に続くかは確実ではない。だが、彼がこの日「相当期間(規制案が)続くだろう」と明らかにしたうえに、彼の猪突的な性分に照らしてみれば、少なくとも大統領の再選がある2020年11月までは引っ張っていこうとする可能性が高い。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/834397.html韓国語原文入力:2018-03-02 17:15
訳J.S

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