本文に移動

文大統領「臨時政府が建国のルーツ」と宣言…「歴史の主流に据える」

登録:2018-03-02 06:14 修正:2018-03-02 08:16
三・一節記念式典での演説で国民主権を強調  
「国民が主人である民主共和国のルーツは  
三・一運動引き継いだ臨時政府の樹立にある」  
 
独立運動家の人生「歴史の主流に」  
親日既得権勢力の交代に向けた意向明らかに
今月1日午前、文在寅(ムン・ジェイン)大統領夫婦と学生、市民たちが99周年3・1節記念式典が行われたソウル西大門刑務所歴史館から独立門前まで行進した後、万歳を叫んでいる=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が1日、99周年三・一節記念式典での演説で「大韓民国を国民が主人である民主共和国にしたのが、まさに三・一運動」であり、「三・一運動の最も大きな成果は、独立宣言書による大韓民国臨時政府の樹立」としたうえで、大韓民国の「ルーツ」が三・一運動で樹立された大韓民国臨時政府にあることを明確にした。文大統領は「三・一運動の精神と独立運動家らの生活を大韓民国の歴史の主流に据える」とし、自主と平和を望む市民が民主共和国の主人であることを明らかにした。

 文大統領は同日、ソウル西大門(ソデムン)刑務所歴史館で開かれた三・一節記念式典で、「三・一運動で樹立した大韓民国臨時政府の憲法は、大韓民国が民主共和制であり、国の主権が国民にあることを明白に記した」とし、「それが現在の大韓民国憲法第1条となった」と述べた。彼は「大韓民国臨時政府は、韓国に憲法第1条だけでなく、大韓民国という国号や太極旗、愛国歌という国のシンボルを後世に受け継いだ」とし、「大韓民国が臨時政府の正統性を継承していると、韓国の憲法が明らかにしているのもそのためだ」と強調した。

 文大統領の発言は保守一角の「1948年建国節」主張を一蹴したものだ。李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)政権時代には、臨時政府ではなく、韓国単独政府が樹立された1948年8月15日を建国節にすべきだという論理が積極的に展開された。既得権勢力が建国以前の親日行為を隠蔽しようとしているとの批判の声もあがった。このため、文大統領は、大韓民国が1919年に樹立された上海臨時政府の正統性に基づいていると釘を刺したものだ。彼は「三・一運動と大韓民国建国100周年を恒久的平和体制の構築と平和に基盤した繁栄の新しいスタートラインにする」と述べるなど、演説に5回も100年という言葉を用いた。さらに、「1940年には、大韓民国臨時政府が最初の正規軍である光復軍を創設した」とし、国軍の歴史も光復軍から始まると規定した。

 文大統領はこれに先立ち、大韓民国の建国のルーツが臨時政府にあることを繰り返し強調してきた。彼は1月、国立ソウル顕忠院を参拝し、芳名録に「国民が主人の国、建国100年を準備します」と書いた。昨年12月、中国重慶市大韓民国臨時政府庁舎を訪問した時も、「私たちは臨時政府の樹立を大韓民国の建国と見ており、2019年は三・一運動100周年であり、それはすなわち臨時政府樹立100周年を意味する」としたうえで、「臨時政府は大韓民国のルーツであり、大韓民国の正統なる起源」だと述べた。文大統領が最近、大統領直属で「三・一運動および大韓民国臨時政府樹立100周年記念事業推進委員会」を立ち上げ、ハン・ワンサン元統一部首相を民間委員長に内定したことも、同じ脈絡である。演説で、彼は2020年に大韓民国政府記念館を設立し、来年に重慶の光復軍総司令部も臨時政府樹立100周年に合わせて復元する計画を明らかにした。

 文大統領はまた、親日勢力や財閥、積弊既得権勢力ではなく、正義感溢れる市民たちが主流になるようにすると宣言した。彼は「大韓民国を国民が主人である民主共和国にしたのが、まさに三・一運動だった」としたうえで、「去年の冬、私たちは100年の時間を飛び越え、三・一運動で始まった国民主権の歴史を蘇らせた」と述べた。

 「大韓民国の主流勢力の交代」は、文大統領の政治課題である。党代表を辞めてヒマラヤをトレッキングした2016年6月、「なぜ政治をするのか」という質問に対し、彼は「主流を変えたくて」と答えたという。昨年4月3日、大統領選候補受諾演説でも「互いの痛みに共感する人たちや常識と正義の前に手を差し伸べる人たち、こうした国民が主流となる国になるべきだ」と約束した。大統領府関係者は「親日勢力ではなく、独立運動勢力と正義の市民たちが民主共和国の真の主人になるべきというのが、文大統領の確固たる意志」だと話した。彼は同日の演説で「2020年に開館する大韓民国臨時政府記念館に大韓民国を建立した多くの先祖たちの話が盛り込まれるだろう」とし、「三・一運動に参加した木を伐る人も、鉱夫も、妓生も誇らしい独立運動家として刻まれる」と強調した。

 文大統領は国民に自負心を持っていいという言葉で演説を結んだ。彼は「私たちには独立運動と共に民主共和国を立てた偉大な先祖がおり、絶対貧困から脱して経済発展と民主化を成し遂げた建国2、3世代がおり、共に歩む道を照らしてくれた多くのろうそくたちがいる」としたうえで、「私たちはもうへりくだる必要がない」と話した。彼は「私たちには解放と国民主権をもたらした三・一運動という巨大な民族の根源がある」とし、「この巨大な根元から朝鮮半島で平和と繁栄のという木が丈夫に育ち、大韓民国は世界で最も偉大で、美しい国になるだろう」と述べた。

ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/834321.html韓国語原文入力:2018-03-01 22:05
訳H.J

関連記事