本文に移動

[ニュース分析]北朝鮮「米国との対話」に前向きな変化…“探索的対話”の道開かれた

登録:2018-02-26 08:57 修正:2018-02-26 10:08
文大統領、北朝鮮金英哲副委員長と1時間会談 
文、南北と朝米対話の“好循環”強調に 
北朝鮮代表団「考えは同じ」異例的に答え 
「北朝鮮の核・ミサイル」論議の可能性見せる 
専門家ら「北朝鮮の誠意…良いサイン」 
 
朝米、初歩的レベルでの対話に“青信号” 
米、北朝鮮のメッセージを受け入れるかどうかが問題
文在寅大統領が25日、江原道平昌のオリンピックスタジアムで行われた2018平昌冬季五輪の閉会式で、金英哲労働党中央委員会副委員長兼統一戦線部長と握手している=平昌/大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長兼統一戦線部長が25日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に会い、朝米対話に取り組む意向があると明らかにしたのは、朝米が今のように最悪の対決構図にとどまっている限り南北関係の質的な跳躍も難しいという現実認識によるものとみられる。朝米が対話に取り組むなら、北朝鮮の核・ミサイル問題が議題になるのを避けられないことから、積極的に解釈するならば、北朝鮮が核・ミサイル問題を交渉テーブルに載せることができるとの考えを間接的に明らかにしたと見ることができる。

 同日の面会で、平昌(ピョンチャン)五輪を契機に全面復元にエンジンをかけた南北関係を拡大・発展させなければならないという点では、南と北の間で意見の相違はなかった。文大統領が「北朝鮮が平昌冬季五輪の開幕式に続いて閉幕式にも代表団を送ってお祝いしてくれ、五輪が安全に行われたことについて高く評価する。特に、南北が単一チームを構成して共同入場し、世界中の人々に感動を与えた」とし、南北関係が今後広範囲に広げられ進展が成されなければならないという点を強調すると、北側代表団は「金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長も同じ意志を持っている」と、金委員長の意思を伝達して答えた。

 文大統領は同日も速やかな朝米対話の必要性を強調した。これまで文大統領は、南北関係の改善と北朝鮮の核など朝鮮半島問題の本質的解決に向けては、南北対話とともに朝米対話が“好循環”しなければならないと何度も強調してきた。これに先立ち、文大統領は10日、金正恩委員長の特使として派遣された金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長の訪朝の招請に対して「環境を整えて実現させよう」と答えたのもこのような絡からだ。

文在寅大統領が25日、江原道平昌のオリンピックスタジアムで行われた2018平昌冬季五輪の閉会式でビンセント・ブルックス在韓米軍司令官と握手している。後列の右側は金英哲労働党中央委員会副委員長兼統一戦線部長=平昌/大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 同日の面会で、北朝鮮代表団が朝米対話に出る意向があるという点を明らかにしたのは、意味のある変化だ。これまで北朝鮮は、米国の「対北朝鮮敵視政策」が持続する限り朝米対話はないとか、「対話を乞いはしない」などと主張し、朝米対話を拒否してきた。特に北側代表団は、南北関係と朝米関係が一緒に発展しなければならないという点について「考えは同じだ」と明らかにしたという。朝米対話を実現させるための韓国政府の努力に北朝鮮が回答する可能性が高いということだ。

 専門家たちは、北朝鮮のこのようなメッセージに対して、朝米間の初歩的なレベルで探索的対話が行われる可能性のある“青信号”が灯ったという分析を示した。キム・ジュンヒョン韓東大学教授は「ひとまず朝米間の探索的対話はできそうだ」と見込んだ。朝米関係に詳しい外交消息筋も「金英哲副委員長がそう言ったのなら良いサインと言える。北側がそれなりの誠意を示したもの」と評価した。

 重要なのは、米国が北側のメッセージをどう受け入れるかだ。これまで米国は北朝鮮との“条件なき対話”は可能だという意思を明らかにしながらも、先に手を差し出すことはないとの立場を明確にしてきた。この消息筋は「実際、北朝鮮が対話をしたければ、ニューヨーク・チャンネルを通じて言えばいいのに、そうしなかったのは、依然として朝米間の駆け引きが続いているためと見られる」と付け加えた。政府内外では、米国が金副委員長などが残りの訪韓期間中に打ち出す発言に注目し、今後ニューヨーク・チャンネルなどを通じて協議を図る可能性があると予測する人もいる。

 大統領府は同日の面会が平昌現地で午後5時から1時間にわたって行なわれたと発表したが、具体的な場所は公開しなかった。文大統領は、金副委員長をはじめ北側代表団8人全員と面会した後、金副委員長とリ・ソングォン祖国平和統一委員会委員長と別途対話を交わしたという。韓国ではチョン・ウィヨン大統領府安保室長、ソ・フン国家情報院長が陪席し、面談の場面を写した写真なども公開されなかった。金副委員長の訪韓についての保守陣営の反発を意識した慎重な動きとみられる。

チョン・インファン、ソン・ヨンチョル、キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/833655.html韓国語原文入力:2018-02-26 07:15
訳M.C

関連記事