「李明博(イ・ミョンバク)大統領府」の国家情報院特殊活動費上納疑惑を捜査中の検察が22日、李明博元大統領の実兄であるイ・サンドク元セヌリ党議員事務所などを家宅捜索した。
ソウル中央地検特捜2部(部長ソン・ギョンホ)はこの日、イ元議員の事務所とソウル城北洞(ソンブクトン)の自宅に検事と捜査官を送り、各種の記録やコンピューターのハードディスクなどを確保した。検察は最近の捜査過程で、イ元議員がウォン・セフン元国情院長時代の国情院から数億ウォンの不法資金を受け取った手がかりをつかんだと伝えられた。検察は現在までイ元議員は1回、国情院から金を受け取ったと把握しているが、捜査結果によって回数がさらに増える可能性もある。ただ、検察関係者は「イ元議員が国情院から“直接”金を受け取った疑いについて捜査している」とし、大統領府の介入については線を引いた。
検察の内外では当初、“イ・サンドク側”とされるキム・ジュソン元企画調整室長(2008年3月~2010年9月)が金の伝達に関与したものという分析が出たが、金が引き渡された当時、キム元室長は企画調整室長に在職していなかったことが分かった。イ元議員は李明博政府時代「万事兄通」(すべてが兄を通じる)という言葉が取りざたされるほどの実権者と言われた。検察は近くイ元議員を呼び、国情院の金を受け取った経緯と李元大統領がこのような事実を知っていたかなどを調査するものとみられる。
一方、検察はこの日、国情院特殊活動費5000万ウォン(約516万円)を受け取って「民間人査察」暴露を口止めするためにチャン・ジンス元首相室主務官に渡すことに関わった疑いで、チャン・ソクミョン元大統領府公職綱紀秘書官を被疑者として呼び調査した。チャン元主務官は2011年4月13日、リュ・チュンリョル首相室公職服務管理官から帯封のついた新札5000万ウォンを受け取り、当時「チャン元秘書官が用意した金」という話を聞いたと暴露した経緯がある。21日、検察の取調べを受けたリュ元管理官も、この金の出処としてチャン元秘書官を名指しした。