キム・ヒジュン元大統領府第一付属室長が「李明博(イ・ミョンバク)元大統領が自ら真実を明らかにし謝罪しなければならない」と、マスコミを通じて公開的に促した。彼は、李明博政府時期に大統領の“側近中の側近”で、当時の国家情報院の特殊活動費大統領府上納疑惑を明らかにする核心人物として注目されてきた。
彼は19日、韓国日報との電話インタビューで「すべての真実を知っている方はその方1人(MB=李明博元大統領)しかいない」として「李元大統領が責任を負う姿を見せてほしい」と明らかにした。
キム元室長は、大統領府勤務当時に国家情報院職員から10万ドルを受け取り、2011年に訪米を控えたキム・ユンオク女史側に伝達した疑いで検察の調査を受け、捜査に積極的に協力したことが分かった。17日、李元大統領が記者会見を行い、最近迫ってきた検察の捜査について「盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の死に対する復讐のため」と言ったのも、キム元室長の捜査協力に危機感を感じたためという分析が出てきた。
キム元室長はインタビューで、当時国家情報院職員から「1億ウォン相当を米ドルで受けとり、そっくり渡した」ことを確認した。「名前を明らかにすることはできないが、女性行政官に渡した」と話した。彼は「キム・ユンオク女史側に渡したことは事実だが、世間に報道されたように私がキム・ベクチュン元総務企画官から受け取ったカネをカン・ヒョンヒ第2付属室長に渡したという部分は事実と違う」とも話した。カネを渡した事実を上層部に報告したとは話したが、その上層部が誰なのかについては話さなかった。
彼は「特殊活動費の伝達通路は、自分とキム・ベクチュン元大統領府総務企画官だったが、お互いの間ではその事実を知らなかった」と明らかにした。李元大統領の記者会見内容については「気分は良くない」と話した。キム元室長は「特殊活動費が過去からの慣行であることは事実だが、目が高くなった国民が慣行だとして容認できない状況」だとし「李元大統領が国民に謝罪して許しを乞う姿を見せることが最善ではないか」と話した。「参謀たちと熟考する時、そうした真実を詳細に話さなければならないはずなのに、事実関係を知らない参謀20人、30人を集めて話してみても何の答も出ない」と話した。
彼は、検察調査で積極的に陳述した理由は、報道されたように“裏切り”(妻が死亡した時に大統領夫妻が弔問に来なかったことや、2012年にソロモン貯蓄銀行から1億8千万ウォンを受け取り拘束されたが赦免対象から除外されたことなど)のためではないと明らかにした。「検察の捜査があまりにも強力で、認めずにはいられなかった」とし、「これ以上子どもたちにダメな父親の姿を見せたくない」と話した。
彼は「一時はお仕えした方だけに、虚しさを感じないと言えば嘘になるが、私自身にも『それはしてはいけない』と忠言したり正すことが出来なかった罪がある」と話した。