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韓国型発電差額支援制度で再生エネルギー市場を育てる

登録:2017-12-21 00:01 修正:2017-12-22 09:35
「再生エネルギー3020履行計画」どのように組まれたか 
協同組合・農業者・個人が生産した電力を義務購買 
自家用・農地太陽光を阻んできた規制を緩和
再生エネルギー3020計画の設備普及目標(単位:%) 資料:産業通商資源部//ハンギョレ新聞社

 産業通商資源部は20日「再生エネルギー3020」履行計画(案)を発表し、2030年までに再生エネルギーによる新規発電設備48.7GWを普及させ、発電量比重を現在の7%から20%に高めると明らかにした。そのために、自家用・農村太陽光拡大、小規模事業者の太陽光事業拡大で19.9GW(新規設備の40%)を拡充する計画だ。残りの28.8GWは、発電公企業6社の大規模プロジェクトで供給する。新規設備(48.7GW)の95%は太陽光・風力という清浄エネルギーで、再生エネルギー市場を「エコ」に再構成する計画だ。

 昨年基準で、韓国の再生エネルギー発電比重は7%に過ぎず関連市場が小さい。事業者に対する補償体系が不十分で、一般国民や小規模事業者が市場に参加することが難しかった。再生エネルギー拡大のためには「初期設備投資費用は大きい反面、燃料費などはかからず、電力取り引き価格が低く策定されている」という特性を勘案して、事業者の収益性を保障してこそ可能になる。だが、政府は2011年に発電差額支援制度(FIT・政府が再生エネルギー電力を固定価格で買い取り、事業者の収益を保障する制度)を廃止したため、市場はなかなか大きくならなかった。代わりに大型発電企業18社を相手に、再生エネルギー義務供給制度(RPS)を施行したが、発電企業は清浄エネルギーの代わりに廃棄物やウッドペレット発電で割当量の相当分を満たした。

 こうした状況を改善するため産業部は「韓国型発電差額支援制度」を導入する計画だ。協同組合や農業者による100KW未満の太陽光設備生産電力や、個人事業者の30KW未満設備生産電力については、発電公企業6社が今後20年間、決まった価格で義務購買する制度だ。これは「発電差額支援制度を復活させてこそ再生エネルギー市場を育てることができる」という環境・市民団体側の要求を一部受け入れたものだ。発電差額制度を積極的に導入したドイツや日本の再生エネルギー設備は、現在発電量比重のそれぞれ29.3%、15.9%を占めている。政府はこれと共に、再生エネルギー義務供給比率を現在の5%から2028年までに28%に上方修正し、発電公企業の大規模プロジェクト推進を誘導すると明らかにした。

 この他に自家用・農地太陽光発電の拡大を制約してきた各種の規制も解く。政府は、自家用太陽光生産電力が余ればこれを韓国電力が現金で買い取るよう制度を変える計画だ。現在は、自家消費で余った電力は繰り越すことだけが可能だ。また、2015年末以前に竣工した建築物にのみ太陽光発電設備の設置を許容した制度を変え、太陽光発電設備の設置が不可能な農業振興区域でも、塩害被害干拓地ならば20年間は太陽光事業を許容することにする。外部者による乱開発にならないように、広域地方自治体が事業用地を発掘し、住民受容性を事前に確保する「計画立地制度」も導入される。

 産業部は、設備投資額について公共投資51兆ウォン(約5兆3千億円)、民間投資41兆ウォン(約4兆3千億円)、計100兆ウォン(約10兆4千億円)と予想した。さらに電気料金については、新再生設備投資費などを考慮しても2022年の電気料金が今年に較べ1.3%程度上がり、2030年の料金も今年に較べ10.9%の引き上げとなる水準に止まると推算した。エネルギー気候研究所のイ・サンフン所長は「補償体系を改善すれば発電費用が高くなる」として「親環境再生エネルギーの拡大に対する負担費用を社会的に議論する必要がある」と明らかにした。産業部関係者は「再生エネルギー設備が高価なことは事実だが、供給量が増えれば自然に価格競争力も改善される」と説明した。

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/824387.html韓国語原文入力:2017-12-20 19:56
訳J.S

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