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平昌五輪参加めぐりトランプ政権が右往左往

登録:2017-12-09 06:33 修正:2017-12-09 08:05
ヘイリー国連大使「未解決問題」発言が発端で 
ホワイトハウス報道官「公式決定していないという意味」油注いだ後 
ツイッターで「五輪参加を待ち望んでいる」と鎮火
ニッキー・ヘイリー国連駐在米国大使が6日(現地時間)、米フォックスニュースに出演し平昌五輪の参加について考慮すべき問題だと明らかにし、大きな波紋を呼んだ=米フォックスニュース放送画面キャプチャー//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ政権が米国選手団の平昌冬季五輪に参加するかどうかをめぐり、1日で何回も交錯するメッセージを送るなど、右往左往する姿をみせた末に、結局参加方針を再確認した。しかし、同盟の懸案に適切に対応できず、問題が生じた場合に対処能力も顕著に低いトランプ政権の一面が露呈したと指摘されている。

 問題の発端は米国のニッキー・ヘイリー国連大使が今月6日(現地時間)、「フォックスニュース」とのインタビューで、米国選手たちの平昌五輪参加は既成事実なのかという質問に対し、「まだ解決されていない問題」だと答えたことから始まった。ヘイリー大使は「まだそれ(五輪参加)について聞いていないが、これは我々(米国)がいかに米国人らを保護するかにかかわること」だと主張した。北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射によって米国選手団の安全が憂慮されるという趣旨だった。

 ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は7日の定例記者会見で、ヘイリー大使の発言と関連した質問に、「それ(「解決されていない」ということ)はヘイリー大使が言った正確な意味ではない。その問題についてまだ公式決定が下されていないという意味」だと答えた。さらに、「五輪開幕が近づけば決定することになるだろう。究極的にはドナルド・トランプ大統領が判断することになる」と述べ、混乱をさらに煽った。

 サンダース報道官は自分の発言で波紋が広がる兆しが見えたことを受け、記者会見から18分後、ツイッターに「米国は韓国で開かれる冬季五輪に参加することを待ち望んでいる」という書き込みを掲載した。

 米国務省のヘザー・ナウアート報道官も、定例記者会見で「安全で成功的な冬季五輪を開催するための韓国政府の献身を確信しており、我々はそのすべての努力を支持する」と述べた。ナウアート報道官は「参加するかどうかを正確に答えてほしい」という質問に対し、「私たちは韓国で開かれる五輪の一員になることを待ち望んでいる」と強調した。

 米国の平昌五輪への参加をめぐり波紋が広がったが、トランプ大統領はすでに文在寅(ムン・ジェイン)大統領に「平昌冬季五輪に家族を送る」と直接話したという。事実上、平昌五輪の安全を信頼するというシグナルと言える。大統領府関係者は「先月7~8日、トランプ大統領が国賓として訪韓した当時、文大統領に『平昌冬季五輪に私が行くのは難しいかもしれないから、家族を送る』と話した」と最近、記者に伝えた。娘の夫のジャレッド・クシュナー・ホワイトハウス上級顧問や長女のイバンカ氏の訪韓を言及したものと見られる。

 トランプ大統領は先月30日の文大統領と電話会談で、高官級代表団の派遣を約束した。当時、文大統領は「平昌五輪に米国の高官級代表団の派遣を決定したという報告を受けたが、これに深く感謝を申し上げる」と述べており、トランプ大統領は「米国の高官級代表団の派遣決定を文大統領が直接国際オリンピック委員会(IOC)に伝えることもいいかもしれない」と答えた。

 ジョセフ・ユン国務省対北朝鮮政策特別代表も7日夕方、ワシントンで開かれた韓国国際交流財団(KF)主催の忘年会に出席し、「わずか数日前にトランプ大統領が文大統領に平昌冬季五輪に高官級代表団を送ると述べた」と(米国の参加を)再確認した。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/822739.html韓国語原文入力:2017-12-08 21:14
訳H.J

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