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文在寅大統領、「フォーリン・ポリシー」の「50人の思想家」に選ばれた

登録:2017-12-06 06:03 修正:2017-12-06 08:53
「韓国の民主的リーダーシップを再建」  
平和主義者と称し南北対話に向けた努力を評価

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が5日、米国の外交安保専門雑誌「フォーリン・ポリシー」が選定した「世の中を変えた50人の思想家」に選ばれた。

 フォーリン・ポリシーは最新号で「(文大統領が)韓国の民主的リーダーシップを再建しようと努力している」として、選定の理由を明らかにした。同紙は「文大統領ほどの難題に直面した指導者はほとんどいなかった」とし、「5月に就任した文大統領は、まず前任者の朴槿恵(パク・クネ)前大統領が腐敗スキャンダルで崩れた公共の信頼を回復しなければならない課題を抱えている。さらに、朝鮮半島のTHAAD(高高度防衛ミサイル)の配備で政治・経済的に関係が悪化した中国とも向き合わなければならず、弱り目に崇り目で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長は4月以降、無謀な核兵器の開発を加速化している」と報じた。

「フォーリン・ポリシー」からキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 同紙は、文大統領が高い支持率と温和で開放的な態度で、傷ついた韓国社会に統合の指導者として位置づけられたと評価した。フォーリン・ポリシーは「文大統領は40%を少し上回る支持率で当選したが、就任後翌月の支持率は75%まで跳ね上がった」とし、「(文大統領の)温和で開放的な態度は、朴槿恵前大統領の不通や秘密主義、腐敗、権威主義などと克明な対照を成している」と分析した。文大統領が「透明性を高めて『開かれた政府』を追求すると共に、金融犯罪に対する処罰を強化し、『財閥』と呼ばれる大企業の権限を縮小させた」とも書いた。

 北朝鮮に対する持続的な対話と朝鮮半島非核化に向けた努力も評価した。同紙は「平和に向けた文大統領の強い意志が、武力使用を示唆する平壌(北朝鮮の金正恩労働党委員長)とワシントン(ドナルド・トランプ米国大統領)に代案を示した」とした。また「文大統領は執権後も変わらず北朝鮮との対話を主張した。平壌(ピョンヤン)の挑発にもかかわらず、対話に向けた努力を止めなかった」とし、「多くの韓国人が韓国の核兵器の導入を主張している中でも、文大統領は北朝鮮の核武装を決して容認できず、さらに、韓国も核兵器を獲得しないという態度を堅持してきた」と報じた。

 フォーリン・ポリシーは、文大統領を平和主義者と評価し、彼のこのような態度は信念と経験の産物だと分析した。同紙は「独裁政権時代、文大統領は民主化運動家として社会に一歩を踏み出した」とし、「1970年代の若い弁護士として、人権と民主主義のために闘いながら、法曹人として保障された既得権の道を歩むことを放棄した」と紹介した。同紙は、文大統領の親が北朝鮮からの避難民出身ということを言及し、文大統領が1月に出版した本で「平和統一が実現されれば、真っ先に90歳の老母と共に故郷を訪れたいと書いた」と伝えた。同紙は注目すべき事実として「文大統領が特戦司令部で勤務した経験を持っており、1976年には非武装地帯で重大任務を遂行した」と書いた。これは1976年の板門店(パンムンジョム)斧蛮行事件(ポプラ事件)の後、文大統領がポプラ除去作戦に投入されたことを指すものとみられる。米国大使館は、フォーリン・ポリシーが文大統領を今年の思想家に選定したというニュースに対し、ツイッターを通じてお祝いのメッセージを送った。フォーリン・ポリシーは、文大統領のほかにフランスのエマニュエル・マクロン大統領や英国労働党のジェレミー・コービン党首などを50人に選んだ。

 フォーリン・ポリシーは米カーネギー国際平和財団が1970年から隔月刊に発行する著名な外交専門誌だ。フォーリン・ポリシーは2011年から毎年、政治家、芸術家など画期的思考でこの世を変えた思想家100人を選定してきたが、今年は50人を選定したという。

ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/822113.html韓国語原文入力:2017-12-05 22:25
訳H.J

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