韓国と中国が今年12月中旬、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の中国国賓訪問を推進することで合意した。先月31日、韓中両国がTHAAD(高高度防衛ミサイル)問題を“収拾”させ、今月多国間舞台で両国首脳が関係修復を公式化したことに続き、「韓中関係正常化」手順の完結版になるかに注目が集まっている。
外交部は23日「(韓中は)12月中旬、文在寅大統領の中国国賓訪問を推進することで合意し、文大統領の訪中が両国関係の改善の流れを強化・発展させていくうえで重大な契機になるということで、意見の一致を見た」と明らかにした。カン・ギョンファ外交部長官と中国の王毅外交部長が22日に北京で会談して合意した内容だ。
中国が最も格式が高い「国賓訪問」で文大統領を迎えることに対し、外交部は中国の積極的な関係改善に向けたメッセージだと受け止めている。しかし、前任の大統領たちも中国を国賓訪問したことから、形式そのものよりも現時点での国賓訪問が持つ意味が注目されている。中国専門家のイ・ヒオク成均館中国研究所所長は「今の時点で文大統領が国賓訪問をするのは、両国がこれまで解決できなかった問題について少しずつ戦略的合意を成し遂げる可能性があることを示すものと見られる」と話した。
このような中、今回の韓中外交長官会談では依然として“密封”されていないTHAAD問題をめぐる両国間の温度差も確認された。王毅部長は同日、会談で「中国は韓国の立場表明、すなわち米国のミサイル防衛(MD)体系に加入せず、韓国に臨時配備されるTHAADが中国の安全利益を損なわないという内容などを重視している」としたうえで、「韓国側が引き続きこの問題を適切に(解決することを)望んでいる」と述べた。会談の前に韓国側が憂慮した、いわゆる「3NO」(THAADを追加配備せず、米国MDに参加せず、韓米日3カ国軍事同盟を推進しない)問題を再び取り上げたのだ。
また、文大統領の訪中に先立ち、「THAAD報復」の影響で韓国企業が負った困難が解消されることを望んでいるというカン長官の発言に対し、王部長は先月31日に両国が行った発表および中国の習近平国家主席が首脳会談当時に表明した立場に言及した。習主席は当時、THAAD問題について遠回しながらも「互いの核心利益と重大な懸念」だと表現し、中国は協議文で「韓国に配置されたTHAADに反対することを再び表明」した。結局、従来の立場を繰り返したものだが、両国が一応“収拾”したTHAAD問題がいつでも水面に浮上しかねないという点が改めて確認された。ある政府当局者は「(12月の韓中)首脳会談で、韓国政府としてはTHAAD問題が再燃しないように調整するのがカギ」だと話した。