「李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)(政権下の)国家情報院」で違法政治工作に介入したチュ・ミョンホ元国家情報院局長の拘束令状が棄却されたことをめぐり、裁判所内ですら「理解できない」という反応が出ている。裁判所は同日、国情院の資金援助を受けて「官製デモ」の先頭に立ったチュ・ソンヒ元父母連合事務総長の拘束令状も棄却した。
ソウル中央地裁のカン・ブヨン令状担当判事は20日、ソウル中央地検の国情院捜査チーム(チーム長パク・チャノ)が請求したチュ元局長に対する拘束令状を棄却し、「全体の犯罪事実に占める地位と役割、被疑者の住居および家族関係などを総合すると、被疑者を拘束しなければならない事由などを認め難い」と明らかにした。チュ元局長は李明博政府時代、国益戦略室チーム長として「朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長制圧文書」を作成するなど、野党政治家を査察・批判し、政府を批判する芸能人の放送降板、国税庁税務調査などを要求した疑いを受けた。朴槿恵政権時代に局長に昇進してブラックリスト作成を実行・関与した疑いも適用された。このように10数年間、チュ元局長が国情院の違法活動に深く介入したにもかかわらず、裁判所が令状を棄却したことをめぐり、ある判事は「1級公務員であるチュ元局長は国情院内の高位幹部に属し、相当な影響力があるにもかかわらず、裁判所が事案を軽く見ているようだ」と批判した。検察も直ちに反発している。国情院捜査チームはこの日未明、すぐに立場を出し「裁判所の判断はすんなり納得することはできない」とし、「チュ元局長がイ・ソクス元特別監察官など民間人を査察しウ元首席に”秘密報告”したなど、国情院の追加捜査依頼について速やかに捜査し、拘束令状の再請求を積極的に検討する」と明らかにした。
一方、ソウル中央地裁のオ・ミンソク令状専担部長判事も同日、チュ・ソンヒ氏に対しても「犯罪容疑は被疑者の身分と地位、捜査の進み具合などを考慮すると、逃亡や証拠隠滅の恐れがあると見ることはできない」とし、捜査チームが請求した拘束令状を棄却した。チュ氏は2009年から国情院の職員などと共謀して、各種の政治的イシューについて政府または国情院の立場を代弁する官製デモを行なった疑いを受けている。また、デモの過程で虚偽事実の流布し、俳優のムン・ソングン氏の名誉を毀損した疑いも受けている。2013年8月、CJグループ本社の前でデモを行い、まるでデモを続けるようにして、これを中止する見返りに現金1000万ウォン(約100万円)など2200万ウォン台の金品をゆすり取った疑いも適用された。