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新古里5・6号機、建設許可前に1150億円“先行”投入確認

登録:2017-10-15 22:12 修正:2017-10-16 08:12
建設中断時の予想埋没費用の68.7% 
「先に資金注入し“許可圧迫”慣行」
世界最大の原発密集地帯である蔚山市蔚州郡西生面新岩里の古里原発新古里原子力発電所5・6号機予定地の前で、昨年11月14日東部地域YWCAの会員たちが原発の白紙化を要求する風ぐるま行進をしている=蔚山/キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国水力原子力(韓水原)が、建設許可がおりる前の昨年6月までに新古里(シンゴリ)原子力発電所5・6号機事業費として1兆1576億ウォン(約1150億円)を使っていたことが確認された。今年7月に工事が中断されるまでに投じた事業費1兆6838億ウォンの68.7%に該当する。韓水原の原子力発電所事業と関連して、“先行投入”された予算規模が確認されたのは今回が初めてだ。

 15日、国会科学技術情報放送通信委員会所属のチェ・ミョンギル議員(国民の党)が公開した韓水原の新古里5・6号機事業総合工程率および事業費執行現況資料によれば、韓水原は原子力安全委員会が新古里5・6号機の建設許可を出した2016年6月23日以前に、すでに1兆1576億ウォンを使っていた。総事業費(8兆6254億ウォン)の10分の1を超える規模だ。これに対し原子力業界は、「埋没費用が大きいため新古里5・6号機の工事を中断してはならない」と主張しているが、該当費用の相当額は許可も得ずに使っていたことが明らかになったのだ。正式許可を受けて建設を始め予算を執行したとすれば、現在の埋没費用推算額ははるかに小さくなったと見られる。

 具体的な使用内訳を見ると、許可前使用額のうち5649億ウォンは原子炉設備の供給契約に、1240億ウォンはタービン発電機の供給契約に使った。すべて斗山重工業に注文した。また、許可も得ずに建設を始め、施工には2115億ウォンを使い、総合設計費用として1328億ウォンを執行した。このために工程率は建設許可前にすでに18.8%に達していた。

 これまで韓水原は、原子力発電所の建設や寿命延長のように政府の承認を受けなければならない事業を進める時、事前に数兆ウォン台の予算を投じたり工事を始めて、許可を既成事実化しているとの批判を受けてきた。新古里5・6号機についても韓水原が2012年9月に建設許可を申請した後、審査を受けている間に各種の工事を発注し、昨年の国政監査で議論になったことがある。

 チェ・ミョンギル議員は「韓水原は数兆ウォン台の費用を先行して投じた後に、埋没すれば途方もない経済的浪費になるという圧迫メッセージを政府に送る慣行を今からでもなくさなければならない」として「仮に新古里5・6号機を建設許可後に正常に作り始めたとすれば、今のように埋没費用が大きくなることはなかっただろう」と指摘した。これに対して韓水原側は何の釈明もしていない。

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/814572.html 韓国語原文入力:2017-10-15 19:55
訳J.S(1330字)

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