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金正恩委員長「最高の超強硬対応」…ICBM級追加挑発の可能性も

登録:2017-09-23 01:58 修正:2017-09-23 07:36
北朝鮮の最高指導者としては初の本人名義の声明発表 
トランプ大統領「完全破壊」国連演説に対抗し 
「世界の面前で最も暴悪な宣戦布告 
何を考えてもそれ以上の結果見るだろう」 
北朝鮮外相「太平洋で歴代最高の水爆実験を行う」
国連総会に出席した北朝鮮のリ・ヨンホ外相(中央)が今月21日(現地時間)午前、米ニューヨークの国連プラザホテルを後にしている/聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領の「完全破壊」発言に対抗し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が本人名義で声明を発表した。年頭の辞を除いて北朝鮮最高指導者が自分の名義で声明を出したのは今回が初めてだ。金委員長が声明で、「最高の超強硬対応措置」に言及したことで、朝鮮半島周辺の緊張感がピークを迎えつつある。

 「朝鮮中央通信」は22日、「米合衆国大統領の国連総会演説と関連し、最高領導者(金正恩)同志は9月21日、党中央委員会庁舎で、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長声明を発表した」と報じた。「朝鮮中央テレビ」は同日午後、金正日(キム・ジョンイル)総書記の死亡や核実験など重要なことがあるたびに登場する「人民放送員」のリ・チュンヒ氏が金委員長の声明を代読する場面を繰り返し流した。

 金委員長は声明で「私は、米国大統領という者が、世界最大の公式外交舞台であるだけに以前のように自分の事務室で即興的に口から出任せを言うのとは多少異なる、型にはまって準備された発言をするものと予想していた」とし、「しかし、米国の執権者は情勢の緩和につながるそれなりに説得力のある発言はおろか、わが国の『完全破壊』という、歴代どの米国大統領からも聞いたことのない前代未聞の無知で粗暴な妄言を吐いた」と非難した。

 これに先立ち、トランプ大統領は今月19日(現地時間)、国連総会の基調演説で金委員長を「ロケットマン」と呼び、「米国は莫大な力と忍耐があるが、米国と同盟を防御しなければならない場合は北朝鮮を完全に破壊すること以外に選択肢がない」と主張した。

 さらに、金委員長は「トランプが世界の面前で、私とわが国の存在自体を否定して侮辱し、わが共和国をなくすという歴代最も暴悪な宣戦布告をしてきた以上、私たちもそれ相応の史上最高の超強硬対応措置の実施を深刻に考慮する」と威嚇した。

 金委員長はまた、「私は朝鮮民主主義人民共和国を代表する者として、わが国と人民の尊厳と名誉、そして自分のすべてをかけて、わが共和国の絶滅を叫んだ米統帥権者に必ずその妄言の対償を払わせる」と強調した。彼は特に「私は、トランプが我々がどのぐらい反発すると予想してそのような怪異な言葉を吐いたのかについて、深刻に考えている」とし、「トランプが何を考えたとしても、それ以上の結果を見ることになるだろう」と警告した。

 北朝鮮は最近、脅しのレトリックを発表した後は実際にこれを行動に移してきた。したがって、先月北朝鮮戦略軍司令官のキム・ラッキョム大将が警告した「グアム包囲射撃」を強行したり、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級「火星-14」型を正常な角度で発射し、最大射程距離まで発射する可能性もあると見られる。

 これと関連し、国連総会に出席している北朝鮮のリ・ヨンホ外相は21日(現地時間)、ニューヨークのマンハッタンのホテルで記者団に、金正恩労働党委員長が公言した「史上最高の超強硬対応措置」について、「おそらく歴代最高の水爆実験を太平洋上で行うことになるだろう」と述べた。

 北朝鮮は今月3日に実施した6回目の核実験を「大陸間弾道ロケット装着用の水爆実験」と明らかにした。金委員長が「史上最高の超強硬対応措置」で実際の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星-14」型に水爆を装着して発射すれば、これまで北朝鮮が明らかにしてきた「国家核武力の完成」を宣言することになる。朝鮮半島情勢が以前と違うレベルの危機局面に陥る可能性が高まっている。

チョン・イナン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/812199.html 韓国語原文入力:2017-09-22 22:22
訳H.J(1824字)

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