秋季のワタリガニ盛漁期を迎え、西海(ソヘ・黄海)北方限界線(NLL)付近の海上で、違法操業を行う国漁船が春に比べて2倍ほど増えた。
10日、中部地方海洋警察庁の説明によると、仁川市(インチョンシ)甕津郡(オンジングン)延坪(ヨンピョン)漁場の秋季のワタリガニ漁が始まった今月1日から1週間の間、西海NLL近隣海域で違法操業をした中国漁船は1日平均40隻で、春盛漁期(4~6月)や禁漁期(7~8月)に比べて20隻ほど増えた。今月1日には白ニョン島(ペクニョンド)付近の海域で19隻、大青島(デチョンド)海域で1隻、延坪島海域で3隻など、中国漁船23隻が違法操業を行ったが、8日には白ニョン島で8隻、大青島で24隻、延坪島で15隻など、合わせて47隻に増えた。海警は、白ニョン島付近の海上にいた中国漁船が大青島と延坪島海上へと次第に移動し、操業に乗り出したものと見られると明らかにした。
中国漁船は、昨年まではワタリガニの盛漁期である4~6月と9~11月には1日平均200隻以上が西海NLL海域で違法操業をしてきた。しかし今年4月、中国漁船常時取り締まり機関である「海警西海5島特別警備隊」を創設し、海軍と合同で取り締まりを強化してから、今年4~6月には延坪島でに中国漁船が事実上1隻も現れなかった。
中国漁船は北朝鮮当局に金を払って操業許可を得た後、西海NLL近くの北方海域で操業期に滞在することが分かった。これらの船は普段は西海NLLの北側の海域で留まり、夜間や監視がおろそかになったすきを狙って韓国漁場の方へと南下してワタリガニを取った後、北海域へ逃げるやり方で違法操業を行っている。
海警はワタリガニの盛漁期を迎え、中国漁船がさらに増えるものとみて、西海NLL付近の海域に警備艇を最大10隻まで増やして配置する計画だ。また、西海5島特別警備隊所属の特殊鎮圧隊まで投入して取り締まりを強化する方針だ。海洋警察関係者は「9月のワタリガニ漁が始まり、NLL海域に中国漁船が少しずつ増えているが、例年に比べてはまだ微々たる水準」だとし、「韓国漁民の被害を減らし、海洋主権を守るため、中国漁船の違法操業に強力に対処する」と話した。