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韓ロ首脳、北朝鮮核問題の解決策めぐり対立

登録:2017-09-07 03:05 修正:2017-09-07 07:33
文大統領「対北朝鮮原油供給の中断を」 
制裁への参加要請した文大統領に対し 
プーチン大統領「圧迫・制裁だけでは解決できない」
文在寅大統領とプーチン・ロシア大統領が今月6日(現地時間)午後、ロシア・ウラジオストク極東連邦大学で首脳会談を終え、共同マスコミ発表をした後、握手を交わしている=ウラジオストク/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領とプーチン・ロシア大統領は6日の首脳会談で「北朝鮮の核を容認しない」という原則を再確認したが、今後の対応と解決策をめぐっては対立した。「北朝鮮に対する原油供給の中断など、強力な対北朝鮮制裁へのロシアの協力」を求める文大統領に対し、プーチン大統領は「北朝鮮の核問題は制裁と圧迫だけで解決できない」と釘を刺した。米国が11日、国連安全保障理事会で新たな対北朝鮮制裁決議案を票決にかけると意気込んでいる中、ロシアが頑強な立場を示しており、原油供給の中断などを含めた強力な対北朝鮮制裁案が早期に通過するのはかなり難しい見込みだ。

 文大統領とプーチン大統領は同日午後、ロシア・ウラジオストクの極東連邦大学で2時間40分間にわたり、単独および拡大首脳会談を開いた。首脳会談の後に開かれた「共同マスコミ発表」で、文大統領は「(両首脳が)北朝鮮の6回目の核実験を強く糾弾し、朝鮮半島と極東の無限の潜在力を実現するために、北朝鮮の核問題を早急に解決しなければならないということで意見の一致を見た」とし、「北朝鮮の核・ミサイルが誤った道であり、朝鮮半島の緊張緩和が急務という認識で一致した」と述べた。

 プーチン大統領はこの場で「北朝鮮の核保有国としての地位を決して認めない」としながらも、「朝鮮半島事態を制裁と圧迫だけでは解決できない」と強調した。プーチン大統領はさらに、「感情的になり、北朝鮮を袋小路に追い込んではならない」とし、「冷静に緊張を高める措置を避けるべきだ」と述べた。また、「政治・外交的解決策なしには、現在の状況を解決するのは難しい」と明らかにした。北朝鮮核問題の解決策について「具体的な構想は、ロシアと中国が作った北朝鮮核問題の解決ロードマップに盛り込まれている」と付け加えた。これに先立ち、中国とロシアは7月初め「両国外交部連合声明」を通じて、北朝鮮の核・ミサイル実験の中断と大規模な韓米合同軍事演習の中断を提案する「双中断」と、朝鮮半島の非核化と朝鮮半島平和体制の実現を意味する「双軌並行」に基に、段階的な関係正常化を進めていく「共同イニシアティブ」を提案した。

 (両首脳の共同マスコミ発表後に)大統領府のユン・ヨンチャン国民疎通秘書官が伝えた首脳会談の対話内容からも、両首脳の神経戦がうかがえる。文大統領は「北朝鮮の挑発を止められる指導者はプーチン大統領と中国の習近平主席であるだけに、北朝鮮が核とミサイル挑発を止めるよう、両指導者が強力な役割を果たしてほしい」と要請したと、ユン首席は伝えた。文大統領はさらに、「特に、北朝鮮を対話に導くためには安保理制裁のレベルを高めなければならない」とし、「今回は少なくとも北朝鮮に対する原油供給を中止するのはやむを得ないだけに、ロシアも積極的に協力してほしい」と要請した。

 しかし、プーチン大統領は「ロシアの対北朝鮮石油輸出量は1年に4万トンほどで、微々たるものだ」としたうえで、「北朝鮮はいくら圧迫しても安保を守るために核を放棄しないだろう。原油供給の中断が北朝鮮の病院など、民間に対する被害を与えると憂慮している」と反論した。文大統領が重ねて説得に乗り出すと、プーチン大統領は「韓ロが同じ立場にあると考えている。北朝鮮をいかに対話の場に導くかにこれからさらに関心を傾ける」と答えたと、ユン首席が伝えた。

 北朝鮮核問題の解決策をめぐる両首脳の“神経戦”は、北朝鮮の6回目の核実験の後に行われた電話会談から予見されてい。当時も、文大統領は「強力な対北朝鮮制裁は避けられない」という点を、プーチン大統領は「外交的解決」を強調したという。

 このため、ロシアが、今後の国連安保理の新たな対北朝鮮制裁決議案の採択にどんな影響を与えるかに、注目が集まっている。外交部は「米国の強硬基調が軍事的行動につながりかねないということを極度に警戒しているロシアが、韓米に現実的な選択をすべきというというメッセージを伝えたもの」と受け止めている。また、自国に直接的影響を及ぼす「北朝鮮の海外労働者の送出禁止」問題をめぐって、ロシアが一定期間にわたって制裁案のレベルの調整に乗り出すことも考えられる。

 この日のプーチン大統領の発言からも分かるように、北朝鮮の核問題をめぐり韓米日対中ロの対決的な構図がさらに強化されている。ホワイトハウスはこの日も「今は北朝鮮との対話に焦点を合わせた時期ではない」という立場を再度強調した。ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は定例記者会見で、「今は外交的にも経済的にも攻撃的な処置の実施を検討している。すべてのオプションがテーブルの上にある」と強調した。また、「中国やロシアを含めて皆が(北朝鮮による)脅威を解決するために、より積極的に乗り出す必要がある」と話した。米国のニッキー・ヘイリー国連大使は、米国企業研究所(AEI)の招請講演で「より多くの制裁を加えるとしても、北朝鮮の行動が変わるとは思わない。しかし、弾道ミサイルと核開発に対する資金支援を遮断することはできるだろう」と話した。

ウラジオストク/キム・ボヒョプ記者、ワシントン/イ・ヨンイン特派員、キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/809984.html 韓国語原文入力:2017-09-06 22:12
訳H.J(2454字)

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