韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)の尹美香(ユン・ミヒャン)共同代表が日本の関西国際空港から入国途中、異例の調査を受けた後解放され、論議が起きている。日本軍「慰安婦」被害者問題解決の先頭に立ってきた尹代表と挺対協の活動を牽制しようとする日本政府の意図があらわになったのではないかという分析が出ている。実際、日本政府は昨年から自国と摩擦のあり得る韓国市民団体の関係者らに対する入国審査を一層厳しく強化したことが確認された。
13日、尹代表がハンギョレに説明した内容を総合すると、尹代表は先月11日午後2時、一人で済州航空便で金浦空港を発ち、関西空港に向かった。12~13日に大阪と東京で開かれる第5回世界日本軍「慰安婦」メモリアル・デーの行事に参加するためだった。韓日間のビザ免除の要件に該当する「90日以内の短期滞在」であるため、ビザの発給は特に受けなかった。関西空港に到着した尹代表が午後4時に入国審査台を通過して荷物を取りに行ったところ、関西空港関係者が「尹美香さん」と呼び立てた後、取調室に連れて行った。
尹代表が調査官に「どうして取調室に連れて来たのか」と聞くと、調査官は「観光に来たのかを確認しなければならない」と答えたという。続けて調査官は「日本に来た目的は何か」、「空港に誰が来ているのか」、「(出迎えの人は)日本国民か特別永住者(在日同胞)か」と尹代表の滞在日程や地域などを尋ねた。尹代表は30分ほど調査を受けた後、入国を許可された。
尹代表は「26年間日本を行ったり来たりしたが、このような調査を受けたことはなかった。侮辱感を感じ、日本にまた来たくないと思った。日本政府の狙いはこれか」と話した。キム・ドンヒ挺対協事務処長は「2015年12月の韓日政府の慰安婦被害者合意でいつかこのようなことが起こるだろうと予想していた。日本が韓日市民社会の連帯活動を萎縮させようとしているようだ」と分析した。
尹代表だけでなく、日本政府が関係に摩擦を感じているであろう韓国市民団体代表らが日本に入国する際、似たような調査を受けたという証言も続いている。1991年から日本を143回以上訪問した太平洋戦争被害者補償推進協議会の李煕子(イ・ヒジャ)代表は「昨年10月から日本に入国する際、別途の調査を受けている」とし、「今年6月に沖縄の日本の市民団体の行事に参加するために訪問した時は、所持品も全部取り出して検査するなどして1時間30分の間調査された」と話した。早稲田大学で博士学位課程にいて10年ほど前から慰安婦被害者支援活動をしてきたH氏も個人のフェイスブックを通じて、最近日本に入国する時、今までとは違う細かい入国審査をされたと明らかにした。昨年8月、日本国内での「強制徴用労働者像」の建設のために関西空港から入国したチェ・ジョンジン民主労総委員長職務代行は、日本当局が最初から入国を不許可とし、韓国に帰って来た。
尹代表は空港から解放された後、日本滞在の両日にわたり活動に大きな制約は受けなかった。尹代表は12日と13日に大阪と東京で日本軍慰安婦問題全国行動(全国行動)などが主催したメモリアル・デーの行事を終え、一緒に街頭行進もした。
大阪韓国総領事館は13日、「日本の出入国管理所に尹美香代表などについて不必要な調査があったかを確認した後、抗議する」と明らかにした。
韓国語原文入力:2017-08-14 04:59