文在寅(ムン・ジェイン)大統領が22日、ロイター通信とのインタビューで明らかにしたTHAAD(高高度防衛ミサイル)をめぐる韓米両国間のの合意内容は、当初、THAAD砲台を構成する6基の発射台のうち、1基だけを今年中に実戦配備し、残りの5基は2018年に配備する日程になっていたということだ。しかし、2016年、朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾局面を経て、なぜか配備の手続きが加速化したと文大統領は説明した。
文大統領の今回の発言は、合意過程で装備の搬入や実戦配備に及ぶ全般的な手続きが非常に不透明なうえ、不完全に行われたことを強調するためとみられる。THAAD1砲台の配備完了時点が、当初合意した2018年から2017年に繰り上げられただけではなく、実戦配備された発射台の数も1基から2基となったが、その過程や理由について両国の責任ある当局者からいかなる説明も聞けなかったということだ。ただ、当初合意された日程を変更した時点が「弾劾局面に入った以降」とした発言から、文大統領は「THAAD配備に否定的な野党候補が政権を握った場合、配備如何と日程に変化があり得るというTHAAD配備の決定権者らの懸念」が突然の手続き変更の理由になったのではないかという疑念を抱いているものとみられる。
文大統領が韓米首脳会談を控えて、このような事実を海外メディアに公開したことには、自身が指示したTHAAD敷地に対する環境影響評価(アセスメント)が、THAAD配備の手続き的正当性と透明性を確保するために避けられない処置であることを強調するためと見られる。文大統領が「新政府が環境アセスメントという当然踏まなければならない手続きを進めるのは、韓国国民の世論に従った極めて当たり前のことである点を申し上げたい」と強調したのも、このような脈絡からだ。