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北朝鮮大使、「韓米演習中止すれば、核・ミサイル実験止めて対話」

登録:2017-06-23 00:54 修正:2017-06-23 07:09
イ・チュニョン・インド大使、メディアでのインタビュー 
韓米首脳会談の前に“交渉カード”流し
インドの衛星放送「ウィオン」(WION)と北朝鮮のケ・チュニョン・インド大使とのインタビュー画面のキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 韓米が合同軍事演習を中止すれば北朝鮮も核とミサイル実験を中止することもありうると、インド駐在のケ・チュニョン北朝鮮大使が明らかにした。彼は核兵器廃棄を前提とした交渉が可能だという意向も示した。ケ大使はリ・スヨン外相の側近として知られる上に、韓米首脳会談を一週間後に控えた微妙な時期に出た発言であるため注目されている。

 ケ・チュニョン大使は21日、インド衛星放送の「ウィオン」に出演し「一定の状況で北朝鮮は核実験やミサイル試験発射凍結の条件を議論する意思がある」とし、このように述べた。ケ大使はリ・スヨン北朝鮮外相がジュネーブ代表部大使を担っていた時、次席大使を務めた人物だ。通常、北朝鮮外交官が外信とのインタビューで本国の指針を受けるという点を考慮すると、北朝鮮が韓米首脳会談を控えて適切な時点を選んで間接的に立場を明らかにしたものという観測が出ている。

 同放送がユーチューブに掲載した該当のインタビュー映像によると、ケ大使は「米国が一時的あるいは永久的に大規模な軍事演習を完全に中止するならば、私たちも一時的に(核とミサイル実験を)止めることになるだろうし、現状況について平和的に対話できるだろう」と述べた。

 ケ大使はさらに、「一定の状況で我々の要求条件が満たされれば、兵器実験の猶予条件をめぐり交渉できるだろう」とし、「論理的に考えてみても22万平方キロしかない小さな朝鮮半島にそのような危険な兵器は必要ではないが、私たちの存立を守るために、不可避で厳しい選択として核兵器を保有している」と主張した。北朝鮮の核廃棄を前提にした交渉も可能という話に解釈できる部分だ。

 北朝鮮が韓米合同軍事演習の中止と核・ミサイル実験の停止の交換を提案したのは今回が初めてではない。リ・スヨン外相は昨年4月、AP通信とのインタビューで、「米国政府が対北朝鮮敵視政策を廃棄し、彼らの表現でいう朝鮮半島での軍事演習、戦争演習を中止することが極めて重要だ。そうすれば我々も相応の措置を取るだろう」として、核実験中止の可能性を言及した。北朝鮮は2015年1月にも朝鮮中央通信を通じて、米国が韓米合同演習を臨時中止すれば「我々も米国が憂慮する核実験を一時中止する肯定的処置を取る用意がある」と明らかにしている。

 これと関連して大統領府側は「北朝鮮当局の公式意見と見ることはできない」としながら、北朝鮮の正確な意図が何なのか綿密な探索が必要だという立場だ。大統領府関係者は「インド大使一人の発言だけでは、北朝鮮の意図が正確に何なのかを把握しにくい。ただし、北朝鮮に現状の打開の意志と動きがあるなら望ましいことではないか」と話した。

 キム・ヨンチョル仁済大学教授は「(ケ大使の発言は)本格的な対話に先立ち、互いの信頼度を試してみている最も初歩的な初期履行措置を提案したもの」だとし、「交渉の扉に入る入り口で相互に交渉に臨む姿勢を確認してみようという意思を明らかにしたとみることができる」と指摘した。コリア研究院のキム・チャンス院長は「韓米首脳会談を控え、北朝鮮が適切な時点を選んで提案を送ったものとみられる」とし、「北朝鮮の真意さえ確認できれば、肯定的な措置が続く可能性がある」と見込んだ。

チョン・インファン、イ・セヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/799934.html 韓国語原文入力:2017-06-22 22:33
訳M.C(1541字)

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