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「寿命の尽きた原発稼動はセウォル号と同じだ」 … 文大統領、国民の生命権強調

登録:2017-06-20 06:14 修正:2017-06-20 06:50
発展途上国型エネルギー政策を廃棄
安全・環境にやさしいエネルギーに大転換
大統領府経済首席室が担当していた原発政策
社会首席室との協力課題として担当させる
文在寅大統領が19日、釜山市機張郡の韓国水力原子力古里原子力本部で開かれた「古里1号機永久停止宣布式」に参加した。文大統領が古里隣近地域の子供たちと永久停止ボタンを押したあと記念写真を撮っている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 

 19日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「脱原発国家スタート宣言」は、既存のエネルギー政策のパラダイムを根本から変えるという意志の表現だ。安い発電単価と効率性を重視する発展途上国型エネルギー政策から環境と国民の生命権を重視する先進国型清浄エネルギー政策への転換を明らかにしたのである。

 文大統領がこの日、釜山市機張郡(キジャングン)の韓国水力原子力古里(コリ)原子力本部で開かれた古里 1号機永久停止宣言式で発した核心的メッセージは「安全」だ。 文大統領は去年9月に発生した慶州(キョンジュ)の大地震に言及し、韓国がもはや地震安全地帯ではないことを強調した。 特に古里原発から半径30キロメートル以内に382万人の住民が密集して住んでいるという点をあげ、韓国で原発事故が発生した場合、福島よりもっと惨憺たる悲劇が起こり得るという点を力説した。彼が記念演説で「安全な大韓民国はセウォル号の子供達との固い約束だ」として「設計寿命が尽きた原発の稼動を延長することは、船舶運航の船齢を延長したセウォル号と同じだ」と力をこめて言ったのも、このような脈絡だ。文大統領はこれと共に「脱原発は逆うことのできない時代の流れだ。数万年この地で生きて行く私たちの子孫のために、今始めなければならないことだ」と述べ、過去のエネルギー政策に回帰することはできないことを明確にした。

 文大統領のこの日の演説は、大統領選挙候補者時代の公約を具体的に履行する出発点でもある。文大統領は▽新規原発の全面中断および建設計画の白紙化▽設計寿命が尽きた原発は直ちに閉鎖▽新古里5号機, 6号機の工事中断、月城(ウォルソン)1号機閉鎖などを約束したことがある。大統領は昨年末、原発事故を扱った映画『パンドラ』を見た時にも「(古里原発が近くにある) 釜山市民にとっては、枕元にいつ爆発するか分からない爆弾を一つ置いて暮らすようなものだ。パンドラ(原発)の箱を開けてはいけないと言うのではなく、パンドラの箱自体を取り除かねばならない」とも言った。

 ソウル大のユン・スンジン環境大学院教授は「これまで脱原発は研究者がいなくてできなかったのではなく、政府の意志が足りなかったからできなかったのだ」として「新しい政府になり、古里1号機の閉鎖に次いで、今回の演説でエネルギー政策転換を宣言し脱原発の意志を明らかにしたことは大きな意味がある」と評価した。彼はまた「今や具体的に脱原発のロードマップを立てる段階だ」として「先進国はエネルギー電力消費を減らしている。韓国と産業構造が違うので平面的な比較は難しいが、今後私たちもエネルギーの効率的な消費という方向に進むことができるだろう」と付け加えた。

 文在寅政府の脱原発の意志は、これまで大統領府経済首席室傘下の産業政策秘書官が担当していた原発政策を社会首席室の気候環境秘書官との「協力課題」として担当させたことにも表れている。エネルギードリームセンター長出身であり「緑の連合」の創立メンバーでもあるキム・ヘエ気候環境秘書官は、産業資源部で長期間エネルギー政策を担当してきたチェ・ヒボン産業政策秘書官と呼吸を合わせている。与党圏のある関係者は「もともと韓国水力原子力の側では古里1号機閉鎖について (原発の価値を強調する)「美しい退役式」というコンセプトを立てたのだが、大統領府が脱原発・エネルギー政策の転換点という話をすることで全く変わった」として「文大統領は脱原発の意志が固く、長いこと準備もしてきたと聞いている」と言った。

チョン・ユギョン、イ・ジョンエ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2017-06-19 21:54

https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/799453.html  訳A.K

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