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保安司令部「5・11分析班」、5・18捜査官の口を塞ぐため査察まで

登録:2017-05-17 22:19 修正:2017-05-18 08:51
光州聴聞会の後“変節”遮断が目的 
憲兵・安全企画部・警察など前現職80人対象 
行事開き懐柔し持続的に査察
5・11分析班の資料のうち80年5月当時に全羅南道合同捜査団の捜査官を務めたM氏を査察した内容が記録された文書=光州/チョン・デハ記者//ハンギョレ新聞社

「住民と接触時、憲兵上士出身を誇示し、住民に高圧的という評判」

 ハンギョレが確保した5・11分析班資料の中には、80年5月当時に全羅南道合同捜査団の捜査官を務めたM氏(全羅南道宝城出身)を査察した内容が記録された文書がある。80年5・18当時、憲兵上士であった彼は、合同捜査本部の一員として5・18捜査に参加した。この文書には彼が「82年6月、上士として予備役に編入され、その一カ月後に妻の実家がある江原道横城(フェンソン)に引っ越し、小規模な養鶏場を営んでいる」と記されている。85年、原州市(ウォンジュシ)に引っ越し養鶏場を経営し、鶏4千~5千羽を飼育するなど、動向も持続的に“アップデート”されていた。M氏に対して「養鶏場の仕事が忙しいので他の領域への外出があまりないとし、必要に応じて追加動向の内密調査が可能」と報告した。この査察疑惑文書の決裁者は、手書きで「継続して関心を高めること」、「持続的接触」と指示している。

 5・11分析班は、合同捜査本部に参加して5・18捜査に加わった人々の“変節防止”のために懐柔し査察した。5・11分析班運営実態などの関連資料によれば、5・11分析班は89年12月、国会光州聴聞会が終わった後に合同捜査団に参加して5・18捜査をした人々により「正修同志会」(会長S氏、顧問C氏)を設立する。C氏は保安司対共処長出身で、1982~84年に学生運動出身強制徴集者らを対象に行ったいわゆる「緑化事業」関連者として知られている。S氏は「光州505保安部隊中佐で、80年5月16日保安司対共処長イ・ハクポン大佐により緊急招集されソウルに行ってきた後に光州地域の在野人士事前検挙を指示した人物」(ホ・チャンファン声明書)として知られている。

 正修同志会を作ったのは「(5・18)合同捜査参加者の変節防止活動」のためであった。5・18当時、光州505保安隊を主軸とし検察・安全企画部(国家情報院)・警察派遣者などで構成された全羅南道合同捜査団は、80年5・17戒厳令全国拡大以後に布告令違反者および内乱騒擾事件などを捜査した。全羅南道合同捜査団は総員80名だった。保安司現役の11人と退職8人、憲兵現役6人と退職14人、安全企画部現役3人と退職4人、警察現職20人と退職4人、軍検察退職7人、検察官現職3人が参加した。5・11分析班の文書は「変節防止活動で全対象者の動向把握、および絆の形成(所在不明者3人)」を目的として掲げた。そして「特に退職者の変節防止に注力し、団結大会などで所信および自負心注入」を強調した。

 変節防止のための団結行事をソウルと光州で計8回開いた。5・11分析班文書によれば、ソウルではC氏の主管で88年9月20日(26人)、89年1月6日(22人)、5月26日(26人)、12月22日(22人)の4回にわたり行事が行われた。光州でも「610部隊長」の主管で4回開かれた。88年8月24日(34人)、89年9月8日(55人)、89年12月29日(34人)、および90年1月だ。「晩餐および余興実施後、プレゼント提供」も行われた。この文書には、合同捜査団活動の正当性に対する共感形成▽歴史的事件の捜査に参加した自負心および同志感注入▽時代状況変化に動揺しないよう確固たる所信督励などを課題に聞いた。

 保安司が全羅南道合同捜査団に参加した人々に対して「懐柔・査察」に乗り出したのは、5・18の真実が露見することを恐れたためと見える。当時、国会光州聴聞会の過程で、全羅南道合同捜査団関係者の良心宣言があったことも影響を及ぼした。保安司光州支部捜査局捜査官出身のホ・チャンファン氏は、1988年12月6日平和民主党舎で記者会見を行い、「80年5月21日全斗煥(チョン・ドファン)保安司令官が自ら光州に来たという事実を、505対共課長S中佐を通じて聞いた」と証言し、大きな波紋を呼んだことがある。

 今回ハンギョレが確保した5・11分析班と保安司の合同捜査団関係者査察動向文書は「氷山の一角」である可能性が高い。保安司は1990年当時、ユン・ソクサン二兵が保安司民間人査察を暴露すると、国軍機務司令部に名前を変えるほどに80年代大規模不法民間人査察を日常的に行った。このため保安司と5・11分析班が5・18捜査に参加した前現職の関連者をどんな方式で査察したのかを調査すべきという指摘が出ている。

光州/チョン・デハ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/795044.html 韓国語原文入力:2017-05-17 10:38
訳J.S(2093字)

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