習近平国家主席が、韓国新政府発足後の韓国代表団との初めての出会いで文在寅(ムン・ジェイン)政権の政治哲学を高く評価し、韓中関係の重要性を強調したことが分かった。
一帯一路国際協力首脳フォーラム韓国政府代表団を率いて中国を訪問した共に民主党のパク・ビョンソク議員は15日、北京で記者団に会い、前日習主席が主催した晩餐会で「別途面談」をしたと明らかにした。パク議員は「習主席が文在寅大統領との通話に非常に満足したと話し、文大統領の政治哲学と理念を高く評価し、共通点が多いと話した」として「(習主席から)韓中関係は高度に重視されるべきで、韓中関係の発展は両国はもちろんアジアを越えて世界平和にとってもきわめて重要な要素と強調する話もあった」とパク議員は付け加えた。
習主席の発言は、高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備以後に軋轢が強まった韓中関係がこれ以上悪化しないようにしようという提案と解説される。新たにスタートした文在寅政権とともに両国関係の座標を再設定しようという意図とも読まれる。習主席はこの日、ややもすれば葛藤の種になりうるTHAAD問題には言及しなかったという。パク議員は「文在寅大統領に対する基本的な信頼(があるという)感じを受けた」とし「両国のみならずアジアの共同発展のために信頼を持って相互理解の幅を広げ、一緒に進もうという言葉もあった」と伝えた。
中国側が今回、韓国代表団に対し非常に丁重な接待をしたという話もある。開幕の3日前に突然出席を決めたにしては、日程や座席配置などで韓国側にとても配慮して、韓中関係の回復を望むメッセージを伝えたということだ。「韓国政府代表団長」の資格で参加したパク議員は、10分ほどではあるが14日夜、習主席に別途会い、15日夜には中国の外交分野の最高位職である楊潔チ国務委員とも面談する予定だ。パク議員は15日、中国外交界の元老である唐家セン元国務委員と昼食を共にした。事実上特使の役割を遂行したが、新政府スタート後、米中ロ日など周辺国への特使団が別に予定されている状態であるため「特使」という用語を使わなかったという解釈もある。
中国が韓中関係回復のためのメッセージを送ったが、THAAD配備が現実的に一定程度進行され、中国が強硬な反対論を収めていない状況で、韓中両国がどんな方式で本格的な転換点を用意できるかに関心が集まっている。