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投票率・世代間対決が最後のカギ…「60代以上」は誰に向かうか

登録:2017-05-08 01:12 修正:2017-05-08 12:00
選挙管理委員会の調査「必ず投票」86.9% 
2012年より7%p高い…事前投票で熱気が確認される 
 
世代によって支持候補が分かれる 
20~40代「文」-60代以上「洪」…50代は文・安に分かれる 
 
60代以上の票心どこに 
投票意向が最も高い世代…2・3位変わる可能性も
年齢別の大統領候補支持度(資料:ハンギョレ-リサーチプラスの5月1~2日調査、単位:%)//ハンギョレ新聞社

 「野野対決」の様相を帯びてきた5・9大統領選挙では、歴代選挙に比べて地域、理念、世代間の対決構図が目に見えて弱体化した。しかし、選挙終盤に行われた各種世論調査で、自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補が躍進し、伝統的対決構図が一部蘇る兆しも現れている。特に、国民の党の安哲秀(アン・チョルス)候補に注がれていた60代以上の老年層の票心が急激に洪候補に移動しており、投票場での「世代戦争」の様相が復活するかに注目が集まっている。

■高まった投票熱気

 中央選挙管理委員会が今月4日に発表した第19代大統領選挙有権者意識調査(第2回)で「必ず投票する」という回答は86.9%に達した。同調査は大統領選挙を10日を残した時点(4月28~29日)で実施されたものだ。朴槿惠(パク・クネ)と文在寅(ムン・ジェイン)の両候補が激突し、理念・地域・世代が全面衝突した2012年の大統領選挙当時、中央選挙管理委員会が実施した同じ調査(選挙12日前79.9%)よりも7%ポイント高い。中央選管委員会の第1回の有権者意識調査(4月10~11日)の際、「必ず投票する」という回答は82.8%だったが、18日間で4.1%ポイントも増えた。最後まで勝負を予測できなかった2012年の大統領選挙の投票率が予測値を4.1%ポイント下回る75.8%だったことに比べると、今回の大統領選挙の投票率が前回の大統領選挙の記録を破る可能性もあると見られている。5日に終わった事前投票の最終投票率が26.06%に達したのも、このような予想を裏付けている。

 高まった投票熱気はハンギョレとハンギョレ経済社会研究院がリサーチプラスに依頼し、1~2日に実施した調査でも表れている。この調査で「必ず投票する」という回答者は89.2%で、前回の調査(4月7~8日)に比べて3.6%ポイント上昇した。選挙が近づくにつれ高い投票意向を示したものだ。ハンギョレの調査では、特に60代以上の積極投票回答が92.1%で、全ての年齢層のうち最も高かった。先月7~8日のハンギョレの調査(85.9%)よりも6.2%ポイント上昇した。

■世代によって分かれた支持性向

 最近の世論調査では世代別に候補の支持が分かれる傾向は明確だ。20~40代は、共に民主党の文在寅候補が、60代以上では自由韓国党の洪準杓候補が1位を走っており、「キャスティング・ボータ―」と呼ばれる50代は、文在寅候補と国民の党の安哲秀候補に支持が分かれている。ハンギョレの今月1~2日に行った調査結果によると、文在寅候補は20代以下で43.9%、30代で59.5%、40代では52.4%で、圧倒的1位を記録した。しかし、50代では文候補が29.7%、安哲秀候補が26.5%と支持が分かれ、60代では洪準杓候補が30.4%、安哲秀が26.4%、文在寅候補が19.6%の順だった。「ソウル新聞」と「YTN」が今月2日に実施した調査でも、文候補は19歳~40代から50%以上の支持を得た反面、洪候補は60歳以上で39.4%の支持を記録し、1位を占めた。50代では、文候補支持が36.4%、洪候補支持が26.0%、安候補支持は23.6%だった。

 韓国ギャラップの4月第3週(18~20日)、第4週(25~27日)、5月第1週(1~2日)の調査を比較してみると、60代以上で洪候補の支持は18%→29%→32%に上昇した。同期間中、安哲秀候補への支持が44%→36%→28%に減ったのと対照を成している。文候補は17%→16%→18%であまり変動がない。もちろん、60代以上のこのような票心の分布は、歴代選挙で保守政党の候補に一方的な支持を送っていたことに比べ、集中度が低い。しかし、世論調査の公表が禁止されるいわゆる「暗闇期間」(3~8日)、洪候補への結集の傾向が続く可能性がある。

年齢代別における「積極投票」意向の変化(資料:選挙管理委員会有権者意識調査、単位:%)//ハンギョレ新聞社

■選挙終盤に結集する60代以上の投票率がカギ

 今回の大統領選挙有権者の年齢別割合は20代以下が17.6%、30代が17.6%、40代が20.6%、50代が20.0%、60代が12.9%、70代以上が11.5%だ。前回の大統領選挙に比べ、50代以上は増えた反面、40代以下は減った。候補からすると自分への支持度が高い年齢層の投票率が高まることを祈るしかない。最近の世論調査から推定すると、20代~40代が投票所を多く訪れるほど文在寅候補が、60代以上がたくさん投票するほど洪準杓候補が有利になると仮定できる。今回の大統領選挙で60代以上の有権者は約1034万人で、全体の24.4%に達する。2012年の大統領選挙当時、60代以上の有権者は約843万人(20.8%)だったが、191万人程度増えたのだ。最近の世論調査で安哲秀・洪準杓候補が2位争いを繰り広げていることから、投票当日における60代以上の選択が二人の最終順位を決める可能性もある。他の年齢層に比べて60代以上で、安・洪両候補の占有率が高い中、しのぎを削ってきたからだ。

 ハンギョレ経済社会研究院のハン・グィヨン世論とデータセンター長は「洪候補は、6回の討論会などを経て、これまで『朴槿惠-チェ・スンシル国政壟断』事件で委縮していた保守層の“封印”を解いた。文在寅候補に激しい反感を持っていた保守層は、少し前までは『文候補に勝つかもしれない』安候補に戦略的に投票しようとしていたが、自分の政治的アイデンティティと周波数が合う洪候補に急速に集結している。韓国社会の伝統的な保守層の規模からして、彼らが一丸となって積極的に投票に参加した場合、少なくとも2位と3位の順位を十分変えられる潜在力がある」と話した。

 各世論調査に関する詳しい内容は、中央選挙世論調査審議委員会ホームページを参考。

キム・ナムイル、イ・セヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/793751.html 韓国語原文入力:2017-05-07 21:19
訳H.J(2814字)

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