米軍の生物・化学兵器防御戦略である「ジュピタープログラム」の釜山港8埠頭への配備決定に釜山(プサン)市民の反対世論が高まっている。
釜山市民運動団体連帯、釜山女性団体連合、釜山民衆連帯、6・15共同宣言実践・釜山本部など市民社会団体は11日、釜山市南区(ナムグ)戡蛮洞(カムマンドン)の釜山港8埠頭前で記者会見を開き、「在韓米軍は釜山港8埠頭へのジュピタープログラムの導入を中止し、すべての情報を透明に公開せよ」と要求した。これらの団体は「在韓米軍は今年1月、ジュピタープログラム関連実験装備の配備を最終的に決定した。在韓米軍は釜山市民に対する最小限の意見集約や同意も求めず、一方的に(実験装備の配備を)進めている。今後の運営計画などのプログラムの具体的内容についても軍事機密という理由で説明を拒否している」と批判した。
これらの団体はまた、「在韓米軍はここで炭そ菌などのサンプルを用いた実験を行わないとしながらも、生物化学実験関連の専門家を採用した。高高度防衛ミサイル(THAAD)を配備し、生物化学武器実験室の設置を強行するなど、米国が自国の利益ばかり追求する行為を止めなければ、朝鮮半島で逆風にさらされかねないという事実を肝に銘じるべきだ」と警告した。さらに、「国防部と釜山市は今でも釜山市民の生命と安全に責任を負う立場から、積極的に乗り出すべき」としたうえで「国民主権と生命を脅かすジュピタープログラムの導入計画が撤回される日まで闘う」と声を高めた。
在韓米軍は最近、釜山港8埠頭の米軍施設に生物化学兵器などに対する探知目的を理由に、ジュピタープログラム関連の生物化学探知装備の配置を決定した。釜山港8埠頭から直線距離3キロメートル以内には小中高校約20校をはじめ、マンション20~30カ所、国連記念公園など公共機関や公共施設がある。