「なんだか不安だが、国政運営は相対的によくできそうだ(文在寅)。信頼はできるが国政運営をどうするか少し心配になる(安哲秀)。役立たずの政権を変えたという清々しさはこちら(文在寅)の方が上だが、自分の暮らしを改善できそうなのはあちら(安哲秀候補)だ」
ハンギョレとハンギョレ経済社会研究院が今月7~8日、リサーチプラスに依頼して行った大統領選世論調査で、共に民主党の文在寅(ムン・ジェイン)候補、国民の党の安哲秀(アン・チョルス)候補に対する有権者たちの評価は以上のように要約できる。信頼感と安定的な国政運営に対する期待のように、対になって同じ方向に動きそうな評価結果が分かれている。両候補が野党候補という同じ範囲内にいるにもかかわらず、各候補を支持する世代と地域、陣営がはっきりと分かれ、錯綜した結果だ。
まず「国政運営を最も安定的に率いる候補は誰か」という質問に、回答者の38.1%は、文候補を挙げた。安候補は32.6%だった。40代以下では文候補に、50代以上では安候補に点数を与えた。国政をけん引するリーダーシップに対する評価では、両候補の順位が入れ替わった。文候補に対して、「不安に近い」という評価(49%)は「信頼に近い」という評価(43.5%)より多かった。信頼と不安の割合は、保守層で21.4%対73.1%、大邱(テグ)・慶尚北道で38.7%対52%、「2012年朴槿恵(パク・クネ)投票層」では16.4%対76.5%となった。一方、安候補のリーダーシップに対する評価は、信頼が49.3%、不安が42.1%だった。保守層で60.6%対31.6%、大邱・慶尚北道で58.3%対32.9%、「朴槿恵投票層」では63%対26.4%だった。
「最も確実に政権交代を成し遂げられる候補は誰か」という質問に、文候補を選んだ人は38.8%、安候補と答えた人たちは35.6%だった。わずかな違いだが、回答者の構成が興味深い。大邱・慶尚北道では、安候補が適任者だという回答が47.6%で最も多かった。文候補という回答は31.1%だった。朴槿恵投票層の半数以上(51.6%)、60代以上世帯の約半数(49.1%)も安候補と答えた。“追い出された政権”の朴槿恵前大統領の支持層の多数が「安哲秀への政権交代」を望んでいるのだ。
政権交代の“効能感”とも言える「自分の暮らしを改善できそうな候補が誰か」という質問では、安候補が文候補を上回った。回答者のうち31.2%が自分の暮らしを改善できそうな候補として安候補を、27.1%が文候補を選んだ。龍仁大学のチェ・チャンリョル教授は「親文(在寅)覇権、文候補に対する保守層の漠然とした不安と忌避を克服できなければ、厳しい選挙になるだろう」と見通した。
朴前大統領の弾劾と拘束で「政権交代を通じた過去の弊害の清算」に対する政治的欲求が希釈され、安候補の「未来論」が広がりを見せる構図に再編されるのも、文候補に不利に働いている。チェ教授は「進歩対中道というフレームから事実上の進歩対保守の争いに選挙構図が変わっているが、このような変化が有権者たちに明確に伝わっていない。安候補は野党陣営では依然として野党候補というメリットを、保守側では文在寅を止める代案というメリットをともに享受している状況」だと分析した。
保守陣営の自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補、正しい政党の劉承ミン(ユ・スンミン)候補に対する評価は、すべての質問で二桁を下回った。洪候補のリーダーシップが不安だという回答は73.6%(信頼14.2%)に達した。正義党の沈相ジョン(シム・サンジョン)候補が大統領になった時、自分の暮らしが最も大きく改善されると回答した人の割合は5.1%で、経済専門家の劉承ミン候補(2.4%)よりも高かった。沈候補の政策・公約に対する有権者たちの評価と期待が反映された結果と分析される。