政府が3年ぶりにセウォル号を水中から引き揚げる作業に入るなど、セウォル号の引き揚げが頂点に向かっている。海洋水産部は22日午前10時からセウォル号のテスト引き揚げを始め、午後3時30分に海底から約1メートル持ち上げたと明らかにした。海洋水産部はさらに、潜水士を送り込んで実際に引き揚げが行われたか肉眼で確認した後、水平を合わせる調節作業を進めた。海水部は同日夜8時50分頃、気象などを再確認した後、本引き揚げを開始した。
テスト引き揚げは、セウォル号の船体とジャッキバージ船2隻を連結した66個の引揚綱(ワイヤー)が船体をちゃんと引き上げられるかを確認する作業である。両側にあるバージ船が油圧を利用してセウォル号に連結された引揚綱を引っ張るが、この過程で力が均一に作用すれば問題なく船体が水面上に浮上できる。テスト引き揚げを通じて計算した船体の重心など各種項目を確認し、補正値をコンピューター制御システムに適用し、66個の引揚綱にかかる荷重の精密配分作業をすることになる。当初、テスト引き揚げは2~3時間を予想したが、成功を確認するまでかなり遅れた。海水部セウォル号引き揚げ推進団のイ・チョルジョ団長は「夜中まで気象状態が良くなく、事前準備作業に多少時間がかかった」とし、「しかし予測の範囲内だったため、特に問題があるわけではない」と説明した。イ団長はさらに、「水深44メートルから水中重量だけで8千トンにもなる大型構造物のセウォル号を引き揚げる作業だ。海底から引き上げることが最も重要な最初の段階であるため、慎重に慎重を期した」と付け加えた。
最も大きな変数は天候だ。海水部の言葉を総合すると、この日午前6時に発表された国内外の気象予報では22~24日の間、波高1メートル、風速10メートル/秒以内の良好な気象が続くものと予測された。セウォル号を持ち上げるのには問題のない気象状況だ。
本引き揚げの核心は、セウォル号の船体上部が海上に約13メートル浮かぶまで持ち上げることが重要である。水深44メートルの海底に横たわっているセウォル号の高さは22メートルで、35メートル引き上げれば、船体のうち9メートルは水中で残りの13メートルは水面上に上がることになる。引揚綱は連続で引っ張るのではなく、シャープペンの芯を押し出すようにバランスを維持しながら、少しずつ引き上げる方式で行われる。キム・ヨンソク海水部長官は「今回の期間内に引き揚げるよう最善を尽くそうと思っている」とし、「ただし、絶対に性急に行わず、慎重を期すこと」と強調した。
セウォル号が十分に上がれば、固定して全羅南道珍島(チンド)東巨次島(トンゴチャド)付近の半潜水式船舶まで行かなければならない。ジャッキバージ船と連結されたセウォル号を半潜水式船舶に移し、木浦(モクポ)に発つ準備をするのに6日ほどかかる。66本の引揚綱(ワイヤー)を除去し、半潜水式船舶にセウォル号を固定する業務を行わなければならないためだ。ここまで成功すれば、引き揚げの9割方を終えたことになる。半潜水式船舶は87キロメートル離れている木浦新港までセウォル号を運んで下ろせばよい。この過程に5日程度かかるとみられる。引き揚げの手続きが無事に進めば、2週間後に木浦でセウォル号を見ることができる。
セウォル号が3年ぶりに引き揚げられれば、船体の調査、未回収者の収拾などの業務が本格的に始まる。近いうちに船体を調査することになるセウォル号船体調査委員会が発足する予定だ。委員会は国会が選出する5人、犠牲者家族の代表が選出する3人の計8人で構成される。このうち、少なくとも6人は船舶・海洋事故関連分野で5年以上の経験がある人から選出し、専門性を確保しなければならない。委員会の活動期間は委員会が決定した「調査開始日」から6カ月以内であり、4カ月以内の範囲で一回延長できる。調査委は船体の調査、船体引き揚げの指導・点検、未回収者の収拾、遺留品・遺失物の収拾過程の点検、船体の処理に関する意見表明などの業務を進行する。