国防部は20日、北朝鮮が最近、地上噴出実験を公開した「大出力発動機」(ロケットエンジン)の性能に「意味ある進展」が見られたと評価した。
イ・ジンウ国防部副報道官は同日の定例記者会見で、前日に北朝鮮が新型大出力発動機の地上噴出実験を公開したことと関連し、「今回の実験を通じて、エンジン性能に意味ある進展が見られたと評価できる」と述べた。イ副報道官はまた、「北朝鮮が公開したエンジンはメインエンジン1基とサブエンジン4基が繋がれたもので、新しいエンジンを開発するためのものと推定される」と明らかにした。しかし、正確な推力や今後の活用可能性など具体的な事案については、「さらなる分析が必要だ」として、それ以上言及しなかった。
北朝鮮の「朝鮮中央通信」などは前日、平安北道鉄山郡(チョルサングン)東倉里(トンチャン二)にある「西海衛星発射場」で、今月18日に「新型大出力発動機の地上噴出試験」を行ったと報じた。北朝鮮メディアは今回の実験が「国防科学院で新たに開発した」ロケットエンジンの実験だと明らかにした。国防科学院は兵器の研究・開発を担当する機関だ。今回の実験が米国まで到達する大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発に向けたものであることを示唆する。
北朝鮮は昨年、異例にも液体燃料ロケットエンジンの実験を2回公開した。昨年4月には「新型の大陸間弾道ロケットの大出力発動機」を、それから5カ月後には「新型の停止衛星運搬ロケット用の大出力発動機」を実験したと発表した。今回の実験は軍事用の弾道ミサイル開発に向けたもので、昨年4月の実験の延長線上にあると見られる。
北朝鮮は現在大陸間弾道ミサイルでKN-08、KN-14を保有しているとされる。しかし、これらのミサイルはまだ発射されたことがなく、作戦能力の有無が確認されていない。専門家らは、今回公開されたエンジン実験がKN-08とKN-14の1段ロケットを開発するために行われた可能性があると見ている。